大人の気道感染症1
急性気管支炎
急性気管支炎は、臨床症状として5日間以上続く咳嗽が特徴であり、多くは1~3週間持続し、通常は自然に軽快すると言われています。原因に挙げられるものは様々であり、インフルエンザA型・B型ウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス(※1)、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルスなど約90%がウイルス性です。ですから、基礎疾患や合併症のない患者さんへの急性気管支炎に対するルーチン抗菌薬投与は原則として推奨されていません。一方で、基礎疾患や合併症のある患者さんに対しては、ウイルス性感染に続いてS.pneumoniae、H.influenzae、M.catarrhalisなどによる細菌感染が起こる可能性があり、この2次性感染予防のための抗菌薬投与が推奨されます。この場合、市中肺炎、気管支炎の治療に準じた抗菌薬選択を行います。
また、区別する疾患として、百日咳があり、これに関しては以下の治療を検討します。