骨髄炎・関節炎1
今回は、骨の部分への感染症である骨髄炎、関節炎を取り挙げたいと思います。あまり見ない病気と感じる方もおられるかもしれませんが、以外に診断に至っていないこれらの病気はあるのかもしれません。例えば、腰痛を訴える患者さんは本当に腰痛だけ??
骨髄炎・関節炎の総論
骨感染症はおもに骨髄および骨皮質に起こる感染症です。その成立の仕方により血行性と直接性に分類され、さらに経過より急性と慢性に分類されます。(表1)小児では、骨端線が閉鎖していないため、血流感染として長管骨に認めることが多くなります。これに対して、成人では骨端線が閉じているので、血流感染の合併症として椎体炎が発症となることが多くなります。また、大人で問題となるものとして、外傷を伴う骨髄炎、糖尿病や閉塞性動脈硬化症(ASO)に伴う骨髄炎などもあります。
感染治療の前提としては、骨髄炎全般では原則6週間以上の抗菌薬投与が必要となり、経口抗菌薬での治療は経静脈投与による治療に比べて用量が不足するので、推奨されていないことが注意点となります。