疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2022年9月10日 柳瀬 昌樹

腹膜炎1

一次性腹膜炎の抗菌薬選択|抗菌化学療法認定薬剤師のメイン画像1

さて、新しいシリーズとして腹膜炎を取り挙げてみたいと思います。腹膜炎とは、一言でいうと腹膜(肝臓・胃・小腸・大腸といった腹部の臓器の外側と、内側の壁、横隔膜、骨盤底などを覆っている膜)に何らかの炎症が起こることとされます。その中でも細菌性腹膜炎は、本来無菌状態の腹腔が細菌で汚染され炎症が起こった状態です。一般的に腹膜炎は、下記のように一次性腹膜炎、二次性腹膜炎、三次性腹膜炎に分類されます。

一次性腹膜炎

よく突発性細菌性腹膜炎と呼ばれ、明らかな原因がなく、腹腔内に感染が成立する状態です。成人の場合、腹水の存在する肝硬変患者でよく認められ、消化管出血や腹膜炎の既往がある場合、腹水中タンパクが低値の場合などでリスクが高いと言われます。また、感染の特徴として単一菌感染であることが多くなります。

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柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会

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