疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2023年5月26日 柳瀬 昌樹

眼の感染症1

【薬剤師向け】麦粒腫や眼瞼炎の抗菌薬選択|抗菌化学療法認定薬剤師のメイン画像1

今回は、あまり触れられることのない眼の感染症について触れていきたいと思います。眼の感染症はやはり専門性が高く、重症例や難治性の場合には、眼科専門医へのコンサルトが望ましいとされていますが、まずは、比較的頻度の高い疾患を取り上げていきたいと思います。

麦粒腫

麦粒腫は眼瞼の急性膿性炎症で、俗にいう「ものもらい」です。原因菌としては、Staphylococcus aureusがほとんどといわれます。培養では、Staphylococcus epidermidisも分離されることもありますが、原因菌ではない可能性があり、Streputococcus pneumoniaeがまれに原因菌になることもあるとされています。他の感染症でも同じですが、入院歴や手術歴、抗菌薬投与歴などのMRSA危険因子がある場合、特に市中MRSAの検出率が高い地域などではMRSAを想定する必要性もあります。基本的に治療は抗菌薬の点眼薬を選択しますが、膿がたまる場合には、切開排膿を行う必要性があり、中等症以上では、経口抗菌薬による治療の追加も行われます。

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柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会

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