疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2023年6月5日 柳瀬 昌樹

眼の感染症2

【薬剤師向け】結膜炎の抗菌薬選択|抗菌化学療法認定薬剤師のメイン画像1

今回も前回の続きとして眼の感染症について見ていきたいと思います。それでは、結膜炎の続きから始めたいと思います。

淋菌性結膜炎

淋菌性結膜炎は、大人がなるものと、新生児が主に産道感染により生後2~4日で発症するものがあります。成人の淋菌性結膜炎は多量の膿性眼脂、強い結膜充血、眼瞼腫脹が主な症状で、新生児の淋菌性結膜炎は上記と同じ症状を認め、ときに偽膜形成を認めることがあると言われています。成人、新生児共に適切な治療が遅れると角膜潰瘍の原因となり、角膜染穿孔に至ることもあるため、早期に適切な治療を行うことが必要です。

治療方針としては、ペニシリン系、マクロライド系、キノロン系への耐性、特にキノロン系抗菌薬には70%以上が耐性していると言われ、キノロン系点眼薬は用いるべきではないとされています。大人の場合には、淋菌性咽頭炎や性器感染症を合併している可能性もあることから、抗菌薬の全身投与も行うことが望ましいです。新生児の淋菌性結膜炎は、やはり専門医へコンサルとすることが望ましいでしょう。

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柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会

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