疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2023年7月9日 柳瀬 昌樹

眼の感染症4

細菌性角膜炎の抗菌薬選択|抗菌化学療法認定薬剤師のメイン画像1

眼の感染症も早くも第4弾。私自身もガイドラインや清書などを読み返してみていますが、怖い病気が多くあることに気づかされます。迷った時には、眼の専門医への相談を行っていきたいと私自身も改めて思いました。それでは、今回は細菌性角膜炎を取り挙げていきたいと思います。

細菌性角膜炎

細菌が角膜上皮障害部から侵入して起こる角膜炎です。ご高齢の方では、抗菌点眼薬を長期間使用することで、眼表面の菌叢が攪乱されたり、免疫抑制状態になったりすることで起こる日和見感染が原因となると言われています。若年者に多いコンタクトレンズ使用者では、コンタクトレンズを付けるときに起きる上皮障害から発症することが多いようです。

原因菌としては、Staphylococcus属、Streptococcus属、Corynebacterium属、P.acnesなどが挙げられ、また、コンタクトレンズが原因と場合には、コンタクトレンズを保存するケースの中の汚染菌である、P.aeruginosaを中心としたグラム陰性桿菌も原因菌となることに注意が必要です。屈折矯正手術後などでは、MRSAなどの耐性菌や、手術機器を介したMycobacterium属なども原因菌となる場合があると言われています。

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柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会

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