疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2023年8月1日 柳瀬 昌樹

腸管感染症1

細菌性腸炎の抗菌薬選択|抗菌化学療法認定薬剤師のメイン画像1

このシリーズでは、腸管の感染症を見ていきたいと思います。原因としては、細菌、ウイルス、寄生虫など様々ですので、それぞれに対応する判断、治療薬が必要となります。

成人の細菌性腸炎(市中感染)

多くの細菌性腸炎は、口から原因となる細菌が入ることで成立します。主に飲食物を介することがほとんどですが、まれに汚染された手指や環境を介する感染や、性行為によって成立した感染もあり得ます。最も多い飲食物を介する細菌性腸炎は、集団事例の場合には、いわゆる食中毒を称されるものとなります。基本的には、自然に治癒する傾向が強く、抗菌薬が不要であると判断することが多い疾患ですが、その重症度や患者背景(年齢、基礎疾患、海外渡航歴、職業歴など)を加味して、抗菌薬の適応の有無を判断することが必要です。基礎疾患のない若い人に発症することも多いため、初めから抗菌薬投与が適応となるのはまれだと考えます。その中で、抗菌薬投与が必要と判断した場合の治療法を以下に示します。

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柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会

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