疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2023年8月8日 柳瀬 昌樹

腸管感染症2

原因菌が明確な腸管感染症の抗菌薬選択|抗菌化学療法認定薬剤師のメイン画像1

今回は腸管感染症の第2弾。前回取り挙げた市中細菌性腸炎の抗菌薬適応とエンペリックテラピーに引き続き、原因菌が分離・同定された場合のディフィニティブテラピーを見ていきたいと思います。原因となる細菌としては、まれなものからよく見るものまでさまざまですので、1つずつ見ていきましょう。

赤痢菌(Shigalla属)

現在、日本における感染症法で3類感染症に規定されており、確実に除菌することが求められます。自然の経過の中で除菌されることもあるため、絶対に抗菌薬投与が必要とは限りませんが、症状の早期改善、排菌期間の短縮を期待する抗菌薬投与が推奨されています。

第一選択
レボフロキサシン経口 1回500㎎ 1日1回 5日間
第二選択(キノロン系薬に耐性または低感受性、もしくはアレルギーがある場合)
アジスロマイシン経口(§) 1回500㎎ 1日1回 3日間
ホスホマイシン経口 1回500㎎ 1日4回 5日間

§:保険適用外

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柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会

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