腸管感染症4
腸管感染症第4弾である今回は、院内感染における細菌性腸管感染症、特に大切なクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)を中心にみていきたいと思います。この細菌、なぜか数年前に名前が変わりましたよね?→クロストリディオイデス・ディフィシル?う~ん、細菌の名前は研究が進むにつれて、正しい分類のために名前がどんどん変わっていってしまうのですが、個人的にはなかなかついていけないことも少なくありません。私と同じように思っている人も多いのではないでしょうか?(笑)
細菌性腸管感染症(院内感染)
抗菌薬投与中または、投与後の入院患者に対して、感染性腸炎として治療が必要になるのは、クロストリディオイデス・ディフィシル腸炎です。このクロストリディオイデス・ディフィシルは芽胞産生菌であり、芽胞はアルコールでは死滅しないため、処置後は必ず石鹸と流水による手洗いが必要となります。私もICTとして仕事をしているため、看護師さんなどに処置ごとの手洗いをお願いして回っています。
クロストリディオイデス・ディフィシル感染症は、便のトキシン検査にて診断するが、抗原陽性のみの場合、検査結果単独ではCDIの診断は難しく、総合的な判断が必要となります。
皆さん、ご存じのとおりではありますが、入院後3日以降に発症した下痢症状に対しての便培養は、クロストリディオイデス・ディフィシル以外の腸管感染症の原因菌が検出されることは稀であり、逆にある種の菌が検出された場合、臨床判断に迷ってしまうことなどもあるため、CDI診断以外で便培養を取ることは推奨されていないことも注意が必要です。