1. 薬剤師トップ
  2. 薬剤師コラム・特集
  3. 疾患別・感染症と抗菌薬の選び方
  4. 院内感染における腸管感染症の抗菌薬選択

疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2023年9月21日 柳瀬 昌樹

腸管感染症4

院内感染における腸管感染症の抗菌薬選択|抗菌化学療法認定薬剤師のメイン画像1

腸管感染症第4弾である今回は、院内感染における細菌性腸管感染症、特に大切なクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)を中心にみていきたいと思います。この細菌、なぜか数年前に名前が変わりましたよね?→クロストリディオイデス・ディフィシル?う~ん、細菌の名前は研究が進むにつれて、正しい分類のために名前がどんどん変わっていってしまうのですが、個人的にはなかなかついていけないことも少なくありません。私と同じように思っている人も多いのではないでしょうか?(笑)

細菌性腸管感染症(院内感染)

抗菌薬投与中または、投与後の入院患者に対して、感染性腸炎として治療が必要になるのは、クロストリディオイデス・ディフィシル腸炎です。このクロストリディオイデス・ディフィシルは芽胞産生菌であり、芽胞はアルコールでは死滅しないため、処置後は必ず石鹸と流水による手洗いが必要となります。私もICTとして仕事をしているため、看護師さんなどに処置ごとの手洗いをお願いして回っています。

クロストリディオイデス・ディフィシル感染症は、便のトキシン検査にて診断するが、抗原陽性のみの場合、検査結果単独ではCDIの診断は難しく、総合的な判断が必要となります。

皆さん、ご存じのとおりではありますが、入院後3日以降に発症した下痢症状に対しての便培養は、クロストリディオイデス・ディフィシル以外の腸管感染症の原因菌が検出されることは稀であり、逆にある種の菌が検出された場合、臨床判断に迷ってしまうことなどもあるため、CDI診断以外で便培養を取ることは推奨されていないことも注意が必要です。

または

m3.com会員登録いただくと、医療ニュースや全てのコラム記事が読み放題&ポイントが貯まる

新規会員登録(無料)

こちらもおすすめ

柳瀬 昌樹の画像

柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会

キーワード一覧

疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

この記事の関連記事

この記事に関連するクイズ

アクセス数ランキング

新着一覧

26万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

薬剤師がm3.comに登録するメリットの画像

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

禁忌 薬物療法・作用機序 服薬指導 プロブレム 医療クイズ 疾患・病態 副作用 SOAP 薬歴 ebm