認知症のBPSDや更年期障害に働く〜抑肝散〜
薬剤師が知っておきたい漢方製剤、前回は「芍薬甘草湯」について説明しましたが、シリーズ第4回は抑肝散です。近年、認知症の症状や、更年期障害にも使われ始めている本剤を解説します。
参考資料
日薬理誌(Folia Pharmacol.Jpn.)143.110-114(2014)
第一薬科大学研究年報29号 23-36 (2013-03-31)
日東医誌 Kampo Med Vol.62.No.3 2011
漢方294処方 生薬解説 じほう
中薬学 神戸中医学院
「抑肝散」は神経の高ぶりを抑え、筋肉のこわばりやツッパリを緩め、心身の状態を改善するための漢方製剤です。もともとは子どものけいれんや夜泣き、ひきつけなど、また、いわゆる「癇の強い子ども」の気持ちを落ち着けるために使われることが多くありました。
近年では認知症の行動・心理症状「BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)」、例えば暴言や暴力、興奮、抑うつ、不眠、幻覚、妄想、譫妄、徘徊などの症状に効果があるといわれ、徐々に使われ始めています。ほかにも、更年期障害からくるイライラに対しても効果がみられることから処方されるケースが増えてきました。
中医学での肝の働き
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