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漢方製剤の解説

更新日: 2020年4月12日 河本 ちかこ

季節の変わり目の風邪に ~香蘇散~

薬剤師が知っておきたい漢方製剤、前回は「酸棗仁湯」について説明しましたが、第10回は「香蘇散」を取り上げます。季節の変わり目の風邪は、ストレスによる体力や免疫力低下が大きな要因です。そのような風邪に有効な「香蘇散」について解説します。

参考資料
「中医学」 神戸中医学院
「方剤学」 神戸中医学院
「漢方294処方生薬解説」 根本幸夫 監修 じほう
「漢方トゥデイ 頻用処方解説 香蘇散」 日本医科大学付属病院 東洋医学科 平馬 直樹

季節の変わり目の風邪に ~香蘇散~の画像

季節の変わり目の風邪に効果があるといわる「香蘇散」(コウソサン)。風邪に使われる漢方製剤はいろいろありますが、「香蘇散」が風邪の中でも季節の変わり目の風邪によいといわれるのはなぜなのでしょうか。それは、「香蘇散」がストレスを改善する効果をあわせもっていることからきています。季節の変わり目には知らず知らずのうちにストレスがかかり、体が弱り、免疫力も低下し、それによって風邪をひきやすい状態になっています。つまり、ストレスが風邪の一要因になっていることが多いため、その原因のストレスを軽減することによって風邪に対する効果を助けることができると考えるからです。
また「香蘇散」は胃腸風邪にもよく使われますが、これは胃腸風邪にかかってしまったときは気のめぐりが悪くなり、胃腸が弱ってしまいます。そんなのときに「香蘇散」はその滞った気のめぐりを穏やかにめぐらせてあげる効果を併せ持つため、胃腸風邪に処方されるのです。

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河本 ちかこ
かわもと ちかこ

薬科大学を卒業後外資系企業にてMR、新製品企画部にて勤務。その後、企業の経営を学ぶべく大学院でMBAを取得する。MBA取得後は医薬品業界の市場分析などを執筆する傍ら薬膳アドバイザー、食育インストラクターなどの資格を取得。健康な体は日々の食事からをモットーに、現在は薬局薬剤師として勤務しながら中医学の見識を深めるために中国人医師のもとで勉学にいそしんでいる。

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