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漢方製剤の解説

更新日: 2019年8月13日

薬剤師が知っておきたい!葛根湯の作用機序

日常の処方でよくみられる漢方製剤をより分かりやすく読み解くこのシリーズ。第一回目は、医療関係者のみならず一般の人たちにも馴染み深い「葛根湯」を取り上げたいと思います。

出典
*1 ツムラ葛根湯添付文書
*2 ツムラ葛根湯添付文書
*3 日病薬誌 第43巻9号 (1171-1173)2007年

薬剤師が知っておきたい!葛根湯の作用機序 漢方製剤の画像

「葛根湯」はその名前の通り①クズ(葛根)が主な成分の漢方製剤です。製造しているメーカーによってその構成成分の比率に多少の差があるものの、①クズ(葛根)、②タイソウ(大棗:ナツメ)、③マオウ(麻黄)、④カンゾウ(甘草)、⑤ケイヒ(桂皮)、⑥シャクヤク(芍薬)、⑦ショウキョウ(生姜)が含まれています。この構成成分は、「桂枝湯」に「葛根」と「麻黄」を加えたものと同様になります。

風邪のひきはじめに効果を発揮-葛根湯の作用機序-

「葛根湯」は風邪のひきはじめに服用するのが効果的とされますが、それはなぜなのでしょうか。

中医学的に考えると風邪(かぜ)は風邪(ふうじゃ)などの邪気が体の表面を侵し、体の中にウイルスや細菌が侵入することによって発症すると考えられています。つまり風邪(かぜ)をひきはじめたときにはまだ邪気が体表にいるということになります。このときの主な症状は透明な鼻水や頭痛、寒気などになります。そして、その状態が改善されなければ邪は体の奥(裏)に入っていき、違う症状を呈します。
この邪気がまだ体表にいるときに対処するために用いられるのが「葛根湯」なのです。

では、葛根湯の中の成分が体にどのような影響を与えるのでしょうか。「葛根湯」は前述したように「桂枝湯」に「葛根」と「麻黄」を加えたものになります。「桂枝湯」は「桂枝」による軽い発汗作用があり、汗を出すことで体の表面にある熱を外に追い出し、風邪(かぜ)の症状を改善していきます。この作用は「葛根湯」に比べるとマイルドで体力のない人によく使われる漢方製剤です。
それに対し、「葛根湯」はこのマイルドな「桂枝湯」に強い発汗作用を持つ辛温解表薬の「麻黄」でさらに強く体を温めて汗をかかせるのと同時に、辛涼解表薬であり、かつ血流量を増加させる作用をもつ「葛根」を加えて体を冷やしながら、血流量を増加させることで体調を調えつつ体表にある熱を発散させるのです。

このように「葛根湯」は外邪が体表にいる風邪(かぜ)の初期段階には有効ですが、体の奥(裏)に入ってしまった場合にはその力を発揮できないということになります。

「葛根湯」の作用を西洋医学の観点から考えてみます。

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河本 ちかこの画像

河本 ちかこ
かわもと ちかこ

薬科大学を卒業後外資系企業にてMR、新製品企画部にて勤務。その後、企業の経営を学ぶべく大学院でMBAを取得する。MBA取得後は医薬品業界の市場分析などを執筆する傍ら薬膳アドバイザー、食育インストラクターなどの資格を取得。健康な体は日々の食事からをモットーに、現在は薬局薬剤師として勤務しながら中医学の見識を深めるために中国人医師のもとで勉学にいそしんでいる。
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