いまさら聞けない漢方薬のリスク~副作用と初期症状~

更新日: 2024年11月30日 tata

薬剤師が解説!「黄連解毒湯」の副作用や初期症状

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☞この記事でわかること!
  • 黄連解毒湯は4つの生薬から成り、すべて寒性生薬である
  • 黄連解毒湯は全身の炎症に効く
  • 黄連解毒湯は温清飲を構成している漢方薬の一つである
  • 黄連解毒湯の服用に注意すべき人
  • 黄連解毒湯の注意すべき副作用と初期症状
  • 生薬・山梔子について

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)は、内科・皮膚科・精神科・婦人科など幅広い診療科で処方される漢方薬です。その効能は「熱を冷ます」ことにあり、この点を理解しておけば、いま目の前にいる患者に適切な処方かどうかを薬剤師として見極めやすくなります。

「黄連解毒湯」の効果とは?構成もみよう

配合生薬は、黄連(オウレン)黄柏(オウバク)黄芩(オウゴン)山梔子(サンシシ)の四味です。すべての生薬に消炎・解熱作用がみられ全身の炎症に効くため、適応も幅広く用いられます。添付文書には、次のような適応が示されています。

【15】ツムラ黄連解毒湯エキス顆粒(医療用)
<効能又は効果>
比較的体力があり、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらする傾向のある次の諸症:
鼻出血、高血圧、不眠症、ノイローゼ、胃炎、二日酔い、血の道症、 めまい、動悸、湿疹・皮膚炎、皮膚瘙痒症

店頭では、二日酔いの緩和に効く第二類医薬品として並べられていることがあります。また、湿疹や皮膚炎などに使われる「温清飲(うんせいいん)」を構成している漢方薬でもあります。

黄連解毒湯の使用目標は、体力がある人で、のぼせ気味で顔面紅潮し、精神不安、不眠、イライラなどの精神神経症状を訴える場合に用います。(※1)

薬効薬理としては、血小板凝集抑制作用、循環系に対する作用、胃粘膜障害に対する作用、抗炎症作用などが認められています。

「黄連解毒湯」はなぜ注意しなくてはいけないのか

黄連解毒湯には服用に適する体質(証)があり、症状に当てはまるすべての人が服用対象とは限りません。

構成生薬4味いずれも体を冷やす特性があるため、虚弱体質で冷え性タイプには向きません。患者の体質や病態に合っているか確かめる必要があります。

また、黄連解毒湯は、漢方薬の副作用発現との関連がよく挙げられる「オウゴン」や「サンシシ」を含有しているため注意が必要です。次の項で詳しくみていきましょう。

「黄連解毒湯」の注意すべき副作用と初期症状

黄連解毒湯の添付文書には、副作用について以下のように記載されています。

【15】ツムラ黄連解毒湯エキス顆粒(医療用)
<重大な副作用>
1) 間質性肺炎、2) 肝機能障害、黄疸、3) 腸間膜静脈硬化症
<その他の副作用>
過敏症;湿疹、蕁麻疹等
消化器;食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢等

重大な副作用とそれぞれの初期症状についてまとめます。

1) 間質性肺炎
「空咳からせきが出る」、「階段を登ったり、少しはやく歩いたりすると息が苦しくなる」、「発熱する」など

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tata

総合病院の病院薬剤師として12年勤務。結婚、出産を経て、二人の小学生を育てるママ薬剤師。現在は漢方薬局勤務の傍ら、病院経験や漢方の知識を活かした執筆にて情報を発信している。漢方薬生薬認定薬剤師。漢方スタイリスト。漢方養生指導士。アロマテラピー検定1級。

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