【最新!】2026診療報酬改定|物価高・賃上げ対応の新加算が新設!
2026年における診療報酬改定の具体的な項目(個別改定項目について )が、2026年1月23日付で公開されました。
今回は、国内の経済状況や薬局経営の現状を踏まえながら、薬局の業務と関連性の高い改定内容について、その基本認識を整理します。
継続的な物価上昇が続く日本経済
総務省統計局によれば、2025年における平均消費者物価指数(総合指数)は111.9でした。消費者物価指数とは、私たちが日常生活で購入するモノやサービスの値段をまとめて指数化したものであり、2020年を100とした相対値で示されます。
消費者物価指数が111.9であったということは、2020年と比べて約12%、物価が上昇(インフレーション)していることを意味します。
日本国内の消費者物価指数は、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックが収束し始めた2022年以降に急上昇しており、このような物価高は薬局企業の経営にも大きな影響を及ぼすこととなります【図1】。
【図1】 年平均消費者物価指数の推移(2020年を100とした相対値:総務省統計局が公開した
2020年基準消費者物価指数(全国)2025年 より筆者作成)
薬局企業の経営成績と物価高の影響について
東京証券取引所に上場している主な薬局企業について、2026年2月6日時点で開示されている決算資料を基に、各社の経営成績と業績計画に対する進捗率をまとめると【図2】のようになります。
なお、進捗率は、各社の連結業績予想における売上高を分母として算出しています。
【図2】調剤薬局事業を展開する上場企業各社の経営状態(各社開示資料をもとに筆者)
「アインホールディングス」は、2025年8月に実施した「さくら薬局」グループの買収により、店舗数が2,000店舗を超え、売上高が大幅に増加しました。
また、子会社の「Francfranc」を中核としたリテール事業において、アジアンコスメの伸長や、小型扇風機の販売好調などが寄与し、大幅な増収増益となっています。
「クオールホールディングス」は、「第一三共エスファ株式会社」を子会社化したことから、オーソライズド・ジェネリック製品の販売が大きく寄与し、売上高は過去最高を更新しました。一方で、賃上げに伴う人件費の増加や会計処理の変更等で、営業利益は前年同期比14.7%の減少となりました。
物価の上昇に関連した人件費の増加は、各社に共通する経営課題の一つであり、とりわけ「コスモ調剤」は、調剤報酬改定の影響も含め、営業利益は前年同期比-38.4%と、大幅な減益でした。
また、「HYUGA PRIMARY CARE」では、関東や北海道への進出に伴う新規出店費用や人材採用費用が先行して発生したため、営業利益が前年同期比で約50%減少しています。
一方、「メディカルシステムネットワーク」は、人件費の増加を医薬品ネットワーク部門の加盟件数増加による増益でカバーし、営業利益は25.1%増加しました。
総じて、水光熱費、医療資材、人件費等のコスト増を、事業成長による増益で十分に吸収できたかどうかが、経営成績の明暗を分けているように思います。
なお、この場合の事業成長とは、雑貨や化粧品などのリテール事業、医薬品の製造販売業もしくは卸売業などであり、必ずしも調剤薬局事業ではないことにも留意すべきでしょう。大手各社は、事業ポートフォリオを多角化して経営のリスク分散と持続可能な利益成長を模索しているわけです。
物価上昇に対する2026年診療報酬改定の基本認識と主な改定項目
今回の診療報酬改定では、物価の上昇を踏まえた報酬体系の見直しを行うとともに、2026年度及び2027年度に予想される持続的な物価高騰に対して、段階的に対応することが基本的な認識として明記されています。
調剤分野においては、薬局の経営基盤を強化するため、物価高や賃上げに対応でき、立地に依存した構造から脱却できる報酬体系に見直されています。また、薬剤師が職能を十分に発揮できるような仕組みづくりも盛り込まれました。
調剤基本料については、立地に依存する構造から脱却し、薬剤師の職能発揮を促進するため、各区分ごとに点数が引き上げられる方針です。