【調剤基本料・区分表付】26改定が映す薬局ビジネスのターニングポイント
2015年に厚生労働省から発表された「患者のための薬局ビジョン」1)では、かかりつけ薬剤師・薬局が持つべき機能として、服薬情報の一元的かつ継続的把握、24時間対応や在宅対応、医療機関等との連携が挙げられており、立地から機能へと薬局の再編を促す方針が取りまとめられました。同ビジョンではまた、薬剤師の業務を「対物業務から対人業務へ」と定義しています。
一方で、薬局のビジネスモデルは、病院や診療所の処方箋を応需する都合上、その立地に多くを依存しており、薬局の存在意義が患者の地理的な利便性に依拠してきた側面は否めません。
そこで、2026年度の調剤報酬改定においては、調剤基本料の算定要件が見直され、立地から機能へと薬局再編を促す方針がより鮮明となりました。
今回の記事では、調剤基本料の改定内容に着目しながら、薬局経営に与える影響や、立地依存から脱却するためのサービス設計について、筆者なりに考察してみたいと思います。
【26改定】調剤基本料の改定動向を見てみよう
2026年度の調剤報酬改定における調剤基本料の点数と算定要件の新旧対比を【表1】にまとめます。全体的にプラス改訂となっていますが、特に基本調剤料1と基本調剤料3ハは、改定前と比べて2点の増加となっています。
【表1】調剤基本料の区分別の点数と要件の変化
| 報酬区分 | 改定前 | 改定後 | ||
| 調剤基本料1* | 45点 | 47点 | ||
| 調剤基本料2 | 29点 | 30点 | ||
| 処方箋受付回数 | 集中率 | 処方箋受付回数 | 集中率 | |
| 1800超~2000/月 | 95%超 | 1800超~4000/月 | 85% | |
| 2000超~4000/月 | 85%超 | 都市部に新規開局 し600回超/月 |
85% | |
| 4000超/月 | 受付上位3 医療機関70% |
4000超/月 | 受付上位3 医療機関70% |
|
| 調剤基本料3イ | 24点 | 25点 | ||
| 処方箋受付回数 | 集中率 | 処方箋受付回数 | 集中率 | |
| 同一グループ 3.5万超~4万/月 |
95%超 | 同一グループ 3.5万超~40万/月 |
85%超 | |
| 同一グループ 4万超~40万/月 |
85%超 | |||
| 調剤基本料3ロ | 19点 | 20点 | ||
| 処方箋受付回数 | 集中率 | 処方箋受付回数 | 集中率 | |
| 同一グループ40万超 /月orグループ300店舗以上 |
85%超 | 同一グループで 月に40万回超** |
85%超 | |
| 調剤基本料3ハ | 35点 | 37点 | ||
| 処方箋受付回数 | 集中率 | 処方箋受付回数 | 集中率 | |
| 同一グループ40万超 /月orグループ300店舗以上 |
85%以下 | 同一グループで 月に40万回超** |
85%以下 | |
参考文献2より筆者作成
*調剤基本料2・3、特別調剤基本料以外
**調剤基本料3のロ・ハの施設基準から、同一グループの店舗数が300以上の要件を削除
TOPIC① 調剤基本料1(45点)の維持が困難に
一方で、調剤基本料の算定要件にも大きな変更が加えられており、特定の医療機関の処方箋に売上の多くを依存してきた薬局では、調剤基本料1の算定が難しくなったように思います。
例えば、薬局が応需した全処方箋数に対する特定の医療機関からの処方箋数(以下、集中率)が、85%を超えていた場合であっても、処方箋の受付回数が2000回以下であれば、これまで調剤基本料1を算定できました。
しかし、今回の調剤報酬改定においては処方箋の受付回数が1800回超に引き下げられています。
そのため、処方箋の受付回数が1800回を超えている場合には、旧調剤基本料1の45点から新調剤基本料2の30点へと、大幅に減点されてしまうのです。
