【患者の質問に回答】「リベルサスは空腹時に飲んでいいの?」
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薬剤師インフルエンサー・ひゃくさんの連載。第5回目は糖尿病治療薬の「リベルサス」を取り上げます。患者さんから「血糖を下げる薬なのに、空腹時に飲んで大丈夫?」と質問を受けました。わかりやすく伝えるにはどうすればいいでしょうか? ひゃくさんが3分でわかりやすく解説してくれますよ!
リベルサスは血糖を下げる薬だけど空腹時に内服していいの?
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「リベルサス(セマグルチド)」はGLP-1受容体アゴニストとして作用する糖尿病治療薬です。
他の多くの糖尿病薬とは異なり、「リベルサス(セマグルチド)」は空腹時に服用する必要があります。今回のコラムでは、この点について詳しく説明します。
糖尿病治療薬の特徴的な服用タイミングを確認しよう!
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多くの糖尿病治療薬は食事に密接に関連して服用されます。
例えば、「速効型インスリン分泌促進薬(レパグリニド等)」は食後に服用すると吸収が阻害されて効果が十分に得られず、食前30分に内服すると低血糖の危険性が増すため、食直前の服用となっています。
また、α-グルコシダーゼ阻害薬(ボグリボース)は二糖類の分解を阻害して糖質の吸収を遅延させる薬です。腸管に食物が到達する前に、薬物を到達させるために食直前に服用されます。リベルサス(セマグルチド)はこれらとは異なり、空腹時に服用する必要があります。
リベルサスとはどんな薬?作用機序をチェック
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リベルサス(セマグルチド)はGLP-1受容体に作用し、インスリン分泌を促進する薬です。
これにより、血糖値が高いときに効果的に血糖を下げます。また、血糖値が正常範囲内にある場合には、過剰なインスリン分泌を防ぎ、単独投与時では低血糖のリスクを低減します。
これまでGLP-1作動薬は消化管での透過性が低く、胃の分解酵素により分解されてしまうため、経口投与は適していませんでした。