【患者からの質問】トルリシティからマンジャロに切り替える理由は?
「マンジャロ(チルゼパチド)」は2023年に発売された比較的新しい薬です。
今回のコラムでは、GLP-1阻害薬のトルリシティからマンジャロへ切り替える理由や、切り替え後のフォローについて詳しく解説します。
マンジャロ(チルゼパチド)の基本情報を紹介。効果・効能を知ろう
マンジャロ(チルゼパチド)は2型糖尿病の患者に使用される週1回の皮下注製剤です。投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与します。
次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与する必要があります。
マンジャロ(チルゼパチド)の作用機序とは
GLP-1もGIPもどちらも小腸から分泌されるインクレチンの一つです。GLP-1はインスリン分泌の増加や食事摂取量の減少などの作用を持ち、GIPはインスリン分泌の増加や中性脂肪貯蔵の増加などの作用を持っています。
トルリシティはGLP-1受容体のみに作用しますが、マンジャロはこの2つの作用により、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進させ、空腹時及び食後グルコース濃度を低下させることにより、血糖コントロールを改善する薬になります。
マンジャロ(チルゼパチド)とトルリシティの違いは?
マンジャロ(チルゼパチド)はGLP-1受容体作動薬のオゼンピック(セマグルチド)とも比較試験が行われており、マンジャロの方が血糖値を優位に改善したという結果となっています。
また、体重減少に関してもマンジャロの方が効果が高かったという結果となっており、GLP-1受容体作動薬よりGIP/GLP-1受容体作動薬の方が、血糖降下作用および体重減少作用で優れていると言えそうです。