インフルエンザ薬「タミフル」の48時間リミットはなぜ?
「タミフル(オセルタミビル)」はノイラミニダーゼ阻害薬に分類されるインフルエンザウイルス治療薬です。
タミフルはインフルエンザウイルスに感染後できるだけ早期に服用する必要があります。今回のコラムでは、この点について詳しく説明します。
基本の基本。タミフル(オセルタミビル)の作用機序は?
タミフル(一般名:オセルタミビル)は、ノイラミニダーゼ阻害薬に分類される抗インフルエンザ薬です。
ノイラミニダーゼは、インフルエンザウイルスが感染細胞から遊離する時に必要な酵素です。インフルエンザウイルスが細胞外に出るのを阻害することで、ウイルスの拡散を抑えます。
タミフル(オセルタミビル)のインフルエンザ予防&治療の用法用量
治療目的では、成人および37.5㎏以上の小児に通常75mgを1日2回、5日間服用します。一方、予防目的では、1日1回75mgを10日間服用します。DS製剤の場合、体重に基づいた用量調整が必要です。
また、用法及び用量に関連する注意にて、「インフルエンザ様症状」発症後2日以内に投与を開始するように添付文書に記載されています。
ちなみに、「インフルエンザ様症状」とは、38度以上の発熱かつ急性呼吸器症状(鼻汁若しくは鼻閉、咽頭痛、咳のいずれか 1つ以上)を呈した場合を指します。
ではなぜ、服用のタイミングが2日以内なのでしょうか。
タミフル(オセルタミビル)を48時間以内に投与すべき理由
インフルエンザウイルスは感染後、急速に増殖し、発症から48時間以内にピークを迎えます。
このタイミングで抗ウイルス薬を使用することで、ウイルスの増殖を最小限に抑え、症状の悪化を防ぎます。
タミフルカプセルの治療効果についての成人を対象とした国内第III相臨床試験では、発症36時間以内に投与を開始することにより、プラセボ群に対し、罹病期間を23.3時(25.0%)、発熱期間を 27.4 時間(45.3%)短縮したという結果になっています。