3分でわかる!薬剤師ひゃくさんの「この薬、説明できる?」

更新日: 2025年6月17日 ひゃくさん

トルバプタンと利尿薬は本当に併用するべき?しなくていい?【薬剤師向け】

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トルバプタン(サムスカ)内服中の利尿薬の必要性について解説

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「トルバプタン(サムスカ)」は水利尿薬に分類される薬です。

トルバプタンは利尿薬と併用されているケースを多く見ると思います。今回のコラムでは、利尿薬との併用の必要性について詳しく説明します。

利尿薬と併用される、トルバプタン(サムスカ)ってどんな薬?

トルバプタンとは、水の再吸収を阻害し電解質排泄の増加を伴わない利尿作用を示す薬

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トルバプタン(サムスカ)は、腎臓の集合管という場所で、バソプレシンV2-受容体に拮抗することで、水分の再吸収を抑制します。

その結果、尿として排出される水分量が増加します。ポイントは「電解質の排泄増加を伴わない」こと。一般的なループ利尿薬(フロセミドなど)は、水と一緒にナトリウムなどの電解質も排出を促します。

一方、トルバプタンは電解質排泄の増加を伴わず水の排泄を促す水利尿薬になります。

トルバプタン(サムスカ)が使われる疾患は4つ。どんな疾患?

トルバプタン(サムスカ)の適応疾患は、心不全における体液貯留、肝硬変における体液貯留、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の低Na血症、常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の進行抑制

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トルバプタン(サムスカ)の適応疾患は以下の4つです。
(1)心不全における体液貯留
(2)肝硬変における体液貯留
(3)抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の低Na血症(先発品のサムスカのみ)
(4)常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の進行抑制(先発品のサムスカのみ)
病態ごとに目的と使い方が異なります。

この使用目的の違いにより他の利尿薬併用の必要の有無が変わってきます。

トルバプタン(サムスカ)に利尿薬併用が必要なケースって?

トルバプタン(サムスカ)は電解質排泄の増加を伴わず、過剰な水分のみ排泄するため、血清ナトリウム濃度が上昇してしまう可能性がある

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病院勤務の中堅薬剤師インフルエンサー。「自分が疑問に思ったことを共有すれば、薬剤師や看護師に有益な情報発信ができるのでは?」との思いで始めたInstagramのフォロワー数は、いまや14万人超。薬に関する「なぜ?」「どうして?」を掘り下げつつ、新人薬剤師でも理解しやすい内容で薬の知識を発信中。

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