トルバプタンと利尿薬は本当に併用するべき?しなくていい?【薬剤師向け】



「トルバプタン(サムスカ)」は水利尿薬に分類される薬です。
トルバプタンは利尿薬と併用されているケースを多く見ると思います。今回のコラムでは、利尿薬との併用の必要性について詳しく説明します。
利尿薬と併用される、トルバプタン(サムスカ)ってどんな薬?

トルバプタン(サムスカ)は、腎臓の集合管という場所で、バソプレシンV2-受容体に拮抗することで、水分の再吸収を抑制します。
その結果、尿として排出される水分量が増加します。ポイントは「電解質の排泄増加を伴わない」こと。一般的なループ利尿薬(フロセミドなど)は、水と一緒にナトリウムなどの電解質も排出を促します。
一方、トルバプタンは電解質排泄の増加を伴わず水の排泄を促す水利尿薬になります。
トルバプタン(サムスカ)が使われる疾患は4つ。どんな疾患?

トルバプタン(サムスカ)の適応疾患は以下の4つです。
(1)心不全における体液貯留
(2)肝硬変における体液貯留
(3)抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の低Na血症(先発品のサムスカのみ)
(4)常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の進行抑制(先発品のサムスカのみ)
病態ごとに目的と使い方が異なります。
この使用目的の違いにより他の利尿薬併用の必要の有無が変わってきます。
トルバプタン(サムスカ)に利尿薬併用が必要なケースって?
