3分でまるわかり!「メトホルミン」で下痢が起こるのはなぜ?



「メトホルミン(メトグルコ)」はビグアナイド系薬に分類される薬です。
メトホルミンは、2型糖尿病治療に使用される重要な薬剤です。それと同時に患者さんから下痢などの消化器症状について相談されることも少なくありません。今回のコラムでは、メトホルミンによる下痢の副作用について詳しく説明します。
「メトホルミン」ってどんな薬?

メトホルミンは「肝臓での糖新生抑制」、「末梢組織での糖取り込み促進」、「消化管からの糖吸収抑制」などの作用により血糖降下に貢献します。
重要な特徴は、インスリン分泌を直接促進しないため、単独使用では低血糖のリスクが極めて低いことです。
「メトホルミン」で下痢が起こる理由は?

メトホルミンによる下痢のメカニズムは、腸内細菌叢への影響が要因の一つと考えられています。
メトホルミンが腸内細菌のバランスを変化させ、腸の運動に影響を与えるという報告があります。
その他にも、腸管内に残った糖が浸透圧を高めて水分を呼び込んだり、GLP-1や胆汁酸の動態に影響を与えたりと、複数の要因が複合的に関わっていると推測されています。