トラネキサム酸(トランサミン)がのどの痛みに効く理由は?
[目次]
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止血薬としておなじみの「トラネキサム酸(トランサミン)」は、実は耳鼻科や内科でも「のどの痛み」に処方されることが多い薬です。血を止める薬なのに、なぜ痛みに効くのだろう?と思ったことはありませんか?
このコラムでは、その不思議なメカニズムを掘り下げて解説します。
「トラネキサム酸(トランサミン)」ってどんな薬?
プラスミンという酵素は、血のかたまり=フィブリンを溶かす働きがあります。
プラスミンが過剰に働くと必要な血栓まで壊してしまい、出血が続いてしまいます。
「トラネキサム酸(トランサミン)」はプラスミンの「リシン結合部位」に結合して、フィブリンと結合するのを阻害し、プラスミンの過剰な働きをブロックすることで、血を守り、止血作用を示します。
「トラネキサム酸(トランサミン)」が処方される疾患とは?
「トラネキサム酸(トランサミン)」の添付文書を見てみると止血だけでなく、皮膚・耳鼻咽喉科・歯科など幅広い分野で活躍しています。
炎症を伴う粘膜症状(のどの痛み、口内炎、扁桃炎)やアレルギー反応(蕁麻疹・湿疹)にも有効です。一見すると止血作用と抗炎症作用に関連はないように見えますが、なぜ炎症にも効果があるのか見ていきましょう。