3分でわかる!薬剤師ひゃくさんの「この薬、説明できる?」

更新日: 2026年5月11日 ひゃくさん

透析患者の服薬指導「フォゼベル(テナパノル)と下剤の併用は禁忌⁉」

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「フォゼベル(テナパノル)」は、新しい作用機序の「リン吸収阻害薬」です。

透析患者さんにフォゼベル(テナパノル)が追加されたとき、同時に下剤が中止・減量されていることに気づいたことはありませんか?

今回のコラムでは、フォゼベル(テナパノル)と下剤の関係について詳しく解説します。

そもそも、「フォゼベル(テナパノル)」ってどんな薬なの?

「フォゼベル(テナパノル)」はNHE3(ナトリウム/プロトン交換輸送体3)を阻害してリンの吸収を抑える薬

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「フォゼベル(テナパノル)」は、腸管上皮細胞の頂端膜に発現するNHE3(ナトリウム/プロトン交換輸送体3)を阻害する薬です。

NHE3が阻害されると細胞内のpHが低下し、腸管上皮細胞の隙間(傍細胞経路)を通るリンの透過性が低下します。

つまりフォゼベル(テナパノル)は、腸管からのリンの吸収そのものをブロックするという、まったく新しい仕組みの高リン血症治療薬なんです。

既存の「リン吸着薬」と「フォゼベル(テナパノル)」の違いは?

副作用の違い。既存のリン吸着薬は便秘、「フォゼベル(テナパノル)」は下痢。

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従来のリン吸着薬(「カルタン」、「ホスレノール」、「キックリン」など)は、消化管の中でリンと結合し、便と一緒に体外へ排出する仕組みでした。「リンを捕まえて出す」イメージです。

これに対し「フォゼベル(テナパノル)」は「リンの入口をブロックする」薬であり、機序がまったく異なります。

そして興味深いのは、消化器系の副作用が逆だということ。従来のリン吸着薬は便秘が多いのに対し、フォゼベル(テナパノル)は下痢が主な副作用なんです。

なぜ「フォゼベル(テナパノル)」の服用で下痢が起こるの?

「フォゼベル(テナパノル)」で下痢が発現する確率は61.3%

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「フォゼベル(テナパノル)」の服用でNHE3(ナトリウム/プロトン交換輸送体3)を阻害すると、リンだけでなくナトリウムの吸収も阻害されます。

腸管内にナトリウムと水分がとどまることで、下痢や軟便が起こりやすくなります。

添付文書に記載されている下痢の発現頻度は61.3%。フォゼベル(テナパノル)の下痢は薬理作用そのものに由来する副作用であり、リン吸収抑制と表裏一体の関係です。

透析患者に下剤が必要な理由とは?

透析患者が便秘になりやすく「プルゼニド(センノシド)」や「ラキソベロン(ピコスルファートナトリウム水和物)」などの下剤を併用している患者が多い。

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病院勤務の中堅薬剤師インフルエンサー。「自分が疑問に思ったことを共有すれば、薬剤師や看護師に有益な情報発信ができるのでは?」との思いで始めたInstagramのフォロワー数は、いまや14万人超。薬に関する「なぜ?」「どうして?」を掘り下げつつ、新人薬剤師でも理解しやすい内容で薬の知識を発信中。

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