3分でわかる!薬剤師ひゃくさんの「この薬、説明できる?」

更新日: 2026年8月6日 ひゃくさん

ヒヤリハット!イントラリポス混注はNG?側管投与を安全に行うルート設計

ヒヤリハット!イントラリポス混注はNG?側管投与を安全に行うルート設計のメイン画像

看護師から質問「イントラリポスは側管から投与して大丈夫?」

ヒヤリハット!イントラリポス混注はNG?側管投与を安全に行うルート設計の画像1

画像を拡大する


ヒヤリハット!イントラリポス混注はNG?側管投与を安全に行うルート設計の画像2

画像を拡大する

高カロリー輸液(TPN)を行う患者さんに、エネルギー源として「イントラリポス(脂肪乳剤)」が処方されることはよくあります。

そんなとき、看護師さんから「イントラリポスって、側管から入れていいんですか?」と聞かれて、その場で根拠まで答えられるでしょうか。

「他の輸液と混ぜてはいけないと聞くけれど、なぜだろう?」と、あらためて問われると迷ってしまう場面かもしれません。

今回のコラムでは、イントラリポス(脂肪乳剤)の投与経路について、「なぜ直接混ぜてはいけないのか」という理由から、側管投与の正しい方法まで、看護師さんにそのまま説明できる形でわかりやすく解説していきます。

なぜ構造が重要?「イントラリポス(脂肪乳剤)」の乳化特性と投与管理方法

ヒヤリハット!イントラリポス混注はNG?側管投与を安全に行うルート設計の画像3

画像を拡大する

「イントラリポス(脂肪乳剤)」は、大豆油を主成分とする脂肪を点滴で補うための輸液です。

糖質よりも少ない容量で多くのエネルギーを補給できるうえ、体内で合成できない必須脂肪酸を供給できるという特徴があります。

脂肪はそのままでは水に溶けないため、中性脂肪のかたまりを卵黄由来のレシチン(リン脂質)の膜で包み、水になじむ微粒子にして安定させています。これを「乳化」といいます。

この微粒子の構造こそが、投与方法を考えるうえで重要なカギになります。

「イントラリポス(脂肪乳剤)」をTPN液に直接混注してはダメな理由

ヒヤリハット!イントラリポス混注はNG?側管投与を安全に行うルート設計の画像4

画像を拡大する

「イントラリポス(脂肪乳剤)」の微粒子は、表面がマイナスに帯電しているため、粒子どうしが反発し合って均一に分散した状態を保っています。

ところが、高カロリー輸液(TPN)に含まれる電解質、特にカルシウムやマグネシウムなどの2価の陽イオンが加わると、この表面の電荷が打ち消されてしまいます。すると粒子どうしの反発がなくなって凝集し、やがて合一(粗大化)が進みます。

粗大化した脂肪の粒子が5μmを超えるほど大きくなると、肺の毛細血管に詰まり、肺塞栓などを起こす危険があります。だからこそ、イントラリポス(脂肪乳剤)をTPN液に直接混注してはいけないのです。

イントラリポス(脂肪乳剤)は側管から投与して大丈夫?

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

あなたに直接非公開求人、オファーが届く!薬キャリスカウト
ひゃくさんの画像

ひゃくさん
ひゃくさん

病院勤務の中堅薬剤師インフルエンサー。「自分が疑問に思ったことを共有すれば、薬剤師や看護師に有益な情報発信ができるのでは?」との思いで始めたInstagramのフォロワー数は、いまや14万人超。薬に関する「なぜ?」「どうして?」を掘り下げつつ、新人薬剤師でも理解しやすい内容で薬の知識を発信中。

キーワード一覧

3分でわかる!薬剤師ひゃくさんの「この薬、説明できる?」

この記事の関連記事

この記事に関連するクイズ

アクセス数ランキング

新着一覧

28万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

薬剤師がm3.comに登録するメリットの画像

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

キャリア 医薬品情報・DI 薬物療法・作用機序 門前薬局 服薬指導 ライフ・雑学 研修認定薬剤師資格 オンライン服薬指導 薬剤師インタビュー 専門・認定薬剤師資格