不安な気持ちが強くなった患者さんに薬剤師ができるアプローチを考える

オミクロン株の急速な流行により、新型コロナウイルスによる感染の再拡大が起きています。私たちも現場で、経口薬や抗原検査の準備、発熱患者の来局など日々変わる状況への対応が求められています。その中で、長く続くコロナ禍で疲弊した患者や患者家族の課題に直面する場合もあるでしょう。
すぐには解決が難しい場合も多いですが、医療者としての知識を使い、患者さんに寄り添う気持ちを持つことで、薬剤師として役立つことを提供することができるはずです。
本連載では、コロナ禍で起こりうる患者さんの課題とその対応について、心理学的なアプローチも踏まえて紹介します。日々の服薬指導や、患者対応の際にお役立ていただければ幸いです。今回は、このコロナ禍で改めて問題となっている情報との付き合い方とそれによる不安の対処について考えます。
外的な要因から深い影響を受けることがある
前回の連載では、情報との付き合い方を見直すという方法をお伝えしました。長く続くコロナ禍で、新型コロナウイルスの新規感染者数や死亡者数、新しい変異株の出現、後遺症の話題など様々な情報が目に飛び込んできます。生活環境や収入などの状況も大きく変わってしまった人たちも多い中で、ネガティブな情報に触れることによって精神的に悪い影響を受けてしまっている人も少なくありません。そのような中で、厚生労働省からこのような通達がありました。