鉄剤の種類を比較!副作用はある?鉄欠乏性貧血治療に使う経口鉄剤
- 吸収障害や妊娠・授乳で起こる鉄欠乏性貧血には経口の鉄剤を服用
- 薬剤師としては、経口鉄剤の副作用である吐き気、下痢、便秘等の消化器症状、黒色便の服薬指導は欠かせない
- 多くの患者さんは鉄剤が処方されると1、2ヶ月で症状が改善
- 薬剤師の立場からは、患者さんに鉄剤の継続と食事のアドバイスを
鉄欠乏性貧血の治療に使用される鉄剤。1日の服用回数以外の違いが曖昧なまま投薬してしまっていたので、今回は、4つの経口鉄剤(クエン酸第一鉄、フマル酸第一鉄、乾燥硫酸鉄、溶性ピロリン酸第二鉄)について、どのような違いがあるのかまとめました。
鉄欠乏性貧血とは、胃切除などによる吸収障害や摂取不足、妊娠・授乳、出血などにより鉄が欠乏し赤血球のヘモグロビン合成が低下して起こる貧血です。全身に十分な酸素が行き渡らないことで目眩や息切れ、頭痛、顔面蒼白などの貧血症状が現れるほか、スプーン状爪や舌炎、嚥下障害などが見られます。基本的に経口鉄剤で治療を行いますが、内服が困難な場合や吸収障害がある場合は注射剤が用いられます。
鉄欠乏性貧血の原因と症状
鉄欠乏性貧血とは、胃切除などによる吸収障害や摂取不足、妊娠・授乳、出血などにより鉄が欠乏し赤血球のヘモグロビン合成が低下して起こる貧血です。
全身に十分な酸素が行き渡らないことで目眩や息切れ、頭痛、顔面蒼白などの貧血症状が現れるほか、スプーン状爪や舌炎、嚥下障害などが見られます。基本的に経口鉄剤で治療を行いますが、内服が困難な場合や吸収障害がある場合は注射剤が用いられます。
鉄の摂取で鉄欠乏性貧血を予防しよう
鉄は必須微量元素の1つで、ヘモグロビンの材料となることで全身に酸素を運ぶのをサポートします。動物性食品に多いヘム鉄は、植物性食品に多い非ヘム鉄よりも消化管吸収率が高いです。
そのため、妊娠・授乳時や生理時における鉄欠乏性貧血の予防としてヘム鉄を積極的に摂取することがすすめられています。
ヘム鉄を多く含む食材
・レバー
・赤身の肉
・マグロ・カツオなど赤身の魚
非ヘム鉄を多く含む食材
・ほうれん草・小松菜
・大豆製品
・ひじき
鉄欠乏性貧血の治療には経口鉄剤を服用
鉄欠乏性貧血と診断された場合は薬物治療が行われます。基本的には1日1〜2回食前に経口鉄剤を服用します。通常は2〜3週間で症状が改善されますが、服用を中止するとすぐに再発してしまうおそれがあるため、医師の指示があるまで継続することが大切です。
経口鉄剤の副作用と相互作用
経口鉄剤は空腹時のほうが吸収されやすいですが、その分副作用も出やすくなってしまいます。代表的な副作用は吐き気、下痢、便秘等の消化器症状です。また、鉄剤と言えば吸収されなかった鉄による黒色便の説明は必須ですね。ただし、胃や十二指腸から出血していても黒色便になるため、注意が必要です。
相互作用としては、セフジニル、テトラサイクリン系やニューキノロン系の抗生物質、制酸剤、甲状腺ホルモン製剤との併用によりキレートや難溶性の複合体を形成し、吸収が阻害されてしまいます。服用が避けられない場合には、