吸入薬の合剤。LABA、LAMA、ICSの複数配合剤を整理しよう
気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などに使用される吸入薬には様々な種類があります。主な成分として長時間作用型β2刺激薬(LABA)と長時間作用型抗コリン薬(LAMA)、吸入ステロイド(ICS)などがありますが、それらを複数配合しているものについてまとめました。今回は図と表がメインとなっております!
β2刺激薬(LABA)+吸入ステロイド(ICS)の合剤
LABA | ICS | 配合剤 |
サルメテロール (セレベント) |
フルチカゾンプロピオン酸エステル (フルタイド) |
アドエア |
ホルモテロール (オーキシス) |
フルティフォーム | |
ブデソニド (パルミコート) |
シムビコート | |
ビランテロール | フルチカゾンフランカルボン酸エステル (アニュイティ) |
レルベア |
インダカテロール (オンブレス) |
モメタゾンフランカルボン酸エステル (アズマネックス) |
アテキュラ |
LABAとICSを含有するものにはアドエアディスカス・エアゾール、フルティフォームエアゾール、シムビコートタービュヘイラー、レルベアエリプタ、アテキュラ吸入用カプセルがあります。
吸入ステロイドは口腔や気道に付着したものによって、口腔カンジダ症や嗄声、口腔内乾燥などの恐れがあります。そのため、ステロイドを含有しているものは吸入後に十分なうがいをして、それらの症状を予防することが大切です。
アドエアは規格・剤形により適応が異なり、250ディスカスと125エアゾールのみ気管支喘息だけでなくCOPDにも適応があります。
また、レルベアも規格により適応が異なります。100エリプタは喘息とCOPD両方に適応がありますが、200エリプタと小児用50エリプタには喘息の適応しかありません。
シムビコートは維持療法に加えて、発作時の屯用も可能です。アテキュラはデスモプレシン(男性における夜間多尿による夜間頻尿を適応とするもののみ)投与中の患者には禁忌のため注意が必要です。
β2刺激薬(LABA)+ 抗コリン薬(LAMA)の合剤
LABA | LAMA | 配合剤 |
ホルモテロール (オーキシス) |
グリコピロニウム (シーブリ) |
ビベスピ |
インダカテロール (オンブレス) |
ウルティブロ | |
ビランテロール | ウメクリジニウム (エンクラッセ) |
アノーロ |
オロダテロール | チオトロピウム (スピリーバ) |
スピオルト |
LABAとLAMAを含有するものにはビベスピエアロスフィア、ウルティブロ吸入用カプセル、アノーロエリプタ、スピオルトレスピマットがあります。
抗コリン薬を含有するため、いずれも閉塞隅角緑内障や前立腺肥大等による排尿障害には禁忌です。
β2刺激薬(LABA)+吸入ステロイド(ICS)+抗コリン薬(LAMA)の合剤
LABA | ICS | LAMA | 配合剤 |
ホルモテロール (オーキシス) |
ブデソニド (パルミコート) |
グリコピロニウム (シーブリ) |
ビレーズトリ |
インダカテロール (オンブレス) |
モメタゾンフラン カルボン酸 エステル (アズマネックス) |
エナジア | |
ビランテロール | フルチカゾンフラン カルボン酸エステル (アニュイティ) |
ウメクリジニウム (エンクラッセ) |
テリルジー |
最後にLABAとICSとLAMAの3つを配合しているものです。ビレーズトリエアロスフィア、エナジア吸入用カプセル、テリルジーエリプタです。