【熱中症診療ガイドライン2024】内容を見てみよう
暑い日が続いていますが、みなさん熱中症にはなっていませんか?熱中症診療ガイドラインが約10年振りに新しく作成されました。どのようなことが書かれているのか確認しようと思います!
熱中症とは?
高温多湿な環境にいる時やいた後に、体内に熱がこもり、めまいや吐き気、頭痛などさまざまな症状を引き起こすものです。身近な疾患ではありますが、近年の猛暑により毎年全国で1000人以上が死亡しており、注意しなければなりません。
熱中症が起きる仕組み
熱中症の要因には、大きく分けて①暑熱障害と②脱水の2つがあります。
暑熱障害は、暑さによる高体温の状態が続くことで神経細胞が障害されて起こります。脱水は水分の摂取不足や発汗過多による循環血液量の減少から引き起こされます。
そして、暑熱障害や脱水の状態が続くと、炎症性サイトカインの増加、組織因子や活性化好中球による血管内皮障害が起こり、多臓器不全に至ることがあります。
熱中症診療 新ガイドラインの重症度分類
2015年の熱中症重症度分類ではⅠ~Ⅲの3段階でしたが、2024年版ではⅠ~Ⅳの4段階に分けられるようになりました。数字が大きくなるほど重症度が高いです。それぞれの症状の程度と治療方針をまとめました。
Ⅰ度:意識障害はなく、めまいや立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、こむら返りなどの症状
基本的には受診の必要はなく、現場での対応が可能です。対応としては、まずPassive Cooling(※後述しています)を行います。それでも不十分なときは、Active Cooling(※後述しています)や経口での水分と電解質の補給を行います。
Ⅱ度:集中力や判断力の低下(JCS≦1:だいたい意識清明だが、今ひとつはっきりしない)、頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感などの症状
医療機関での診察が必要になります。Passive Coolingを行い、不十分なときにはActive Coolingや水分と電解質の補給を行います。経口摂取が難しいときは点滴にて投与します。