褥瘡(床ずれ)治療薬をわかりやすく解説!黒色期~黄色期


褥瘡(床ずれ)の治療には、壊死組織の除去、感染対策、肉芽形成の促進、創傷治癒の促進が重要です。今回は、黒色期から黄色期の褥瘡治療に用いられる代表的な薬剤について、それぞれの作用機序や特徴、注意点についてまとめました。
<ガイドラインでの推奨度>
B:根拠があり、行うよう勧められる
C1:根拠は限られているが、行っても良い
ブロメライン軟膏(ブロメライン)の作用機序や特徴・注意点

ブロメラインはパイナップル由来のタンパク分解酵素でタンパク質のアミノ酸結合を切断することで、壊死組織を選択的に分解・除去する作用を持ちます。
壊死組織が硬い場合は先に亜鉛華軟膏やスルファジアジン銀を用いて柔らかくして、外科的デブリードマンを行います。そして残った壊死組織に対してブロメラインを塗布します。
基剤:マクロゴール4000、マクロゴール400(水溶性基剤)
<特徴と注意点>
- タンパク質分解による疼痛や出血を伴うことがある。
- 壊死組織が除去されたら使用を中止すること。
<ガイドラインでの推奨>
- 壊死組織がある場合(C1)
ゲーベンクリーム(スルファジアジン銀)の作用機序や特徴・注意点
スルファジアジン銀は、銀イオンが細菌の細胞壁や細胞膜に作用して抗菌作用を示し、広範な細菌(グラム陽性菌・陰性菌)に有効です。創部の感染予防・治療に使用されます。