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薬剤師くるみぱんの勉強ノート

更新日: 2025年5月15日 くるみぱん

褥瘡(床ずれ)について知ろう③治療薬(赤色期〜白色期編)

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褥瘡(床ずれ)シリーズラストです!

今回は、赤色期から白色期の褥瘡治療に用いられる代表的な薬剤について、それぞれの作用機序や特徴、注意点についてまとめました。黒色期や黄色期の治療薬は前回まとめていますので、まだご覧になっていない方はぜひそちらもあわせてご覧ください!

<ガイドラインでの推奨度>
B:根拠があり、行うよう勧められる
C1:根拠は限られているが、行っても良い

フィブラストスプレー(トラフェルミン)とプロスタンディン軟膏(アルプロスタジルアルファデクス)の作用機序や特徴・注意点

赤色期に使用するトラフェルミンの特徴と、白色期に使用するプロスタンディン軟膏の特徴

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①フィブラストスプレー(トラフェルミン)
bFGF(塩基性線維芽細胞成長因子)製剤。線維芽細胞や血管内皮細胞を活性化し、肉芽形成や血管新生を促進することで創傷治癒を促します。

<特徴と注意点>
- 肉芽形成の促進に優れる。
- スプレー剤であり、創面を刺激せずに使用できる。
- 溶解後は冷所保管し、2週間以内に使用。
- 1日量は1000μgまで。

<ガイドラインでの推奨>
・肉芽が十分に形成され創の縮小を図る場合(B)
・肉芽形成が不十分で肉芽形成を促進させる場合(B)
・ポケットを有する場合で滲出液が少ないとき(C1)

②プロスタンディン軟膏(アルプロスタジルアルファデクス)
アルプロスタジル(PGE1誘導体)が血管拡張作用を持ち、創部の血流を改善することで創傷治癒を促進します。

基剤:プラスチベース(油脂性基剤)

<特徴と注意点>
- 血流改善作用があり、壊死組織の除去後の創傷治癒促進に適している。
- 原則として1日10gまで。これを超えて投与する場合は、血圧や脈拍等を観察して慎重に。
- 重篤な心不全、頭蓋内出血や消化管出血等の出血のある患者、妊婦には禁忌。
- 血流改善作用が強いため、出血傾向が増強した場合は使用を中止する。

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くるみぱん

国家試験に受かり、薬学生から薬剤師となったくるみぱんさん。現場での実践的なスキルや薬剤師に必要な専門知識をわかりやすくまとめた勉強ノート「くるみぱんの 薬学×付箋ノートBOOK」は、Instagramでも大人気。薬剤師くるみぱんさんの、ためになる勉強ノートをご紹介します。

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