「マンジャロ皮下注」の基本情報と「ゼップバウンド」との違い


「マンジャロ皮下注」(チルゼパチド)は、GIP/GLP-1受容体作動薬で2型糖尿病治療のための注射薬です。今回は、用法や注射方法、使い忘れた場合の対応、そして2025年3月に薬価収載されたばかりの「ゼップバウンド」との比較について、まとめました。
「マンジャロ」の基本情報と作用機序
「マンジャロ」(チルゼパチド)は週1回投与の皮下注射製剤です。有効成分のチルゼパチドは、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)およびGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の両方の受容体を刺激します。
これにより、グルコース濃度依存的なインスリン分泌促進、胃内容物の排出遅延、食欲抑制といった多面的な作用が得られ、血糖コントロールだけでなく体重減少効果も期待できます。

「マンジャロ」の 用法・用量と注射方法
「マンジャロ」(チルゼパチド)は自己注射製剤で、1週間に1回、同じ曜日に皮下注射します。自分で注射する場合は腹部か太ももに、他の人に注射してもらう場合は上腕も選択可能です。
「アテオス」という、操作が簡便な1回使い切りの製剤で、患者さんが針を刺したり用量を調節したりする必要がありません。
投与量は以下のように段階的に増やしていきます。
「マンジャロ」の用法・用量
- 初回:2.5mgを週1回×4週間
- 5週目から:維持用量の5mgへ増量
- 必要に応じて7.5mg、10mg、12.5mg、15mgまで段階的に増量可能(2.5mgずつ、4週間以上の間隔で)
なお、増量した際に、少ない量の規格2本で投与することは生物学的同等性試験を実施していないためNGです(例えば、5mgを2.5mg2本にするなど)。
「マンジャロ」を使い忘れた場合の対応方法
週1回製剤なので、使い忘れた際の対応についてしっかりと指導しておきましょう。