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薬剤師くるみぱんの勉強ノート

更新日: 2025年12月2日 くるみぱん

在宅薬剤師必読!TPN製剤の「エルネオパNF」と「ワンパル」使い分け法

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前回、在宅中心静脈栄養法についてまとめました。今回は在宅の現場でも使いやすいキット製剤「エルネオパNF」と「ワンパル」について、整理していきたいと思います。

「エルネオパNF」とはどんな製剤か?

「エルネオパNF」1号はTPNの開始液または維持液、2号はTPNの維持液

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「エルネオパNF」は、4室から構成される高カロリー輸液製剤です。「NF」は「New Formula」の略で、従来のエルネオパ(終売)から改良された製剤です。海外で広く使用実績のある処方を参考にビタミンと微量元素の量が改良されています。

4室バッグの構造は、上室(糖・電解質・ビタミン・微量元素液)、下室(アミノ酸・電解質・ビタミン液)、そして小室V(ビタミン液)と小室T(微量元素液)という構成です。使用直前に隔壁を開通させて混合する仕組みで、これによりメイラード反応の防止やビタミンや微量元素の安定性を保つことができます。なお、ビタミンの光分解を防ぐために、遮光カバーを用いるなどの対応が必要です。

「エルネオパNF1号」と「エルネオパNF 2号」の違いを知ろう

「エルネオパNF1号」は、1,000mLあたりブドウ糖120g(糖濃度12%)、アミノ酸20g、総カロリー560kcalです。

一方、「エルネオパNF2号」は、1,000mLあたりブドウ糖175g(糖濃度17.5%)、アミノ酸30g、総カロリー820kcalとなっています。

1号は耐糖能が不明な場合や低下している場合の開始液として、あるいは侵襲時等で耐糖能が低下しておりカロリー制限が必要な場合の維持液として使用します。2号は通常の必要カロリー量の患者の維持液として使用します。つまり、2号の方が糖濃度が高く、高カロリーな設計で作られています。

投与量はどちらも1日2,000mL(症状・年齢・体重に応じて適宜増減)で、24時間かけて持続点滴注入します。なお、患者の尿量が1日500mL以上または1時間あたり20mL以上あることが望ましいです。

「ワンパル」とはどんな製剤か?

「ワンパル」1号はTPNの開始液または維持液、2号は通常の必要カロリー量の患者の維持液

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「ワンパル」は、「エルネオパNF」と同様に、糖・電解質・アミノ酸・ビタミン・微量元素を含む高カロリー輸液製剤です。

ワンパルも4室構造(大室、中室、小室T、小室V)を採用しており 、基本的なコンセプトはエルネオパNFと似ています。ビタミンの光分解を防ぐための遮光カバーが必要な点も同じです。一方で、エルネオパにはない「空室」があることで隔壁開通操作が行われていない状態では薬液を投与できないような構造となっています。

「ワンパル1号」と「ワンパル2号」の違いを知ろう

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国家試験に受かり、薬学生から薬剤師となったくるみぱんさん。現場での実践的なスキルや薬剤師に必要な専門知識をわかりやすくまとめた勉強ノート「くるみぱんの 薬学×付箋ノートBOOK」は、Instagramでも大人気。薬剤師くるみぱんさんの、ためになる勉強ノートをご紹介します。

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