早期パーキンソン病治療でのドパミンアゴニストとMAO-B使い分けを解説
前回は、抗パーキンソン病薬のなかでも末梢で作用する「レボドパ製剤」を中心にまとめました。
今回は脳内で作用する薬の中から「ドパミンアゴニスト(DA)」と「MAO-B阻害薬(モノアミン酸化酵素B)」について、ガイドラインや添付文書に基づいてまとめています。特徴や違いを押さえておきましょう!
「ドパミンアゴニスト(DA)」と「MAO-B阻害薬(モノアミン酸化酵素B)」のガイドラインでの立ち位置
パーキンソン病診療ガイドラインにおいて、「ドパミンアゴニスト」と「MAO-B阻害薬」はいずれも早期パーキンソン病の治療で、概ね65歳以下発症など運動合併症の発症リスクが高いと推定される場合に「レボドパ製剤」よりも優先して使用するように推奨されています。
「ドパミンアゴニスト(DA)」とは
「ドパミンアゴニスト」は、脳内のドパミン受容体を直接刺激し、ドパミンと同様の作用を示す薬剤です。
効果が現れるまでに時間がかかることもあるものの、wearing-off現象やon-off現象への効果も期待できます。構造の違いにより、麦角系と非麦角系に分けられます。
「ドパミンアゴニスト」の麦角系
「ブロモクリプチン(パーロデル)」、「ペルゴリド(ペルマックス)」、「カベルゴリン(カバサール)」
心臓弁膜症のリスクがあるため、非麦角系で効果不十分または忍容性に問題がある場合のみ使用されます。
「ドパミンアゴニスト」の非麦角系
・「プラミペキソール(ビ・シフロール、ミラペックスLA)」
特にD3受容体への親和性が高く、D3受容体は運動症状だけでなく、気分や認知機能症状の改善も期待できます。
速放錠は1日2〜3回、徐放錠(LA)は1日1回服用します。注意点として、腎排泄型のため腎機能低下患者では減量が必要です。
・「ロピニロール(レキップ、ハルロピテープ)」
D3 > D2 > D4の順に親和性があり、プラミペキソールとほぼ同等の効果があるとされています。
速放錠は1日3回、徐放錠(CR)は1日1回、貼付剤は1日1回24時間ごとに貼り替えて使用します。
また、それぞれ1日最大量が異なり、速崩錠15mg、徐放錠16mg、貼付剤64mgのため超えないように注意しましょう。
・「ロチゴチン(ニュープロパッチ)」
D1〜D5すべての受容体に親和性とアゴニスト活性を持つことが最大の特徴です。
D1刺激による疼痛改善、D5刺激による〝すくみ足″改善が期待できます。1日1回、24時間ごとの貼り替えで24時間安定した血中濃度が維持されます。また、衝動制御障害(ICD)がプラミペキソール・ロピニロールより少ないとの報告があります。
注意点としては、貼付部位反応(皮膚症状)に注意して毎回貼付部位を変更すること、MRI検査時は剥がす必要があることが挙げられます。
・「アポモルヒネ(アポカイン)」
唯一の注射製剤です。off症状に対するレスキュー治療としてのみ使用します。