骨粗鬆症注射薬フォルテオ・テリボン・オスタバロの切替監査と指導のツボ
- フォルテオ(テリパラチド)
- テリボン(テリパラチド酢酸塩)
- オスタバロ(アバロパラチド)
- プラリア(デノスマブ)
- イベニティ(ロモソズマブ)
骨粗鬆症の薬物療法は経口薬だけでなく、注射薬の選択肢も充実してきました。調剤薬局で調剤をする機会はなくても、お薬手帳でよく見かけるような院内で注射する製剤もありますね。今回は作用機序と主要5剤(フォルテオ、テリボン、オスタバロ、プラリア、イベニティ)のうちの副甲状腺ホルモン関連の3つの特徴を整理していきます!
骨粗鬆症治療薬全体の作用機序:骨吸収と骨代謝について
骨粗鬆症注射薬は、大きく骨形成促進薬と骨吸収抑制薬に分かれます。
①骨形成促進薬
副甲状腺ホルモン(PTH)製剤であるテリパラチド(フォルテオ)、テリパラチド酢酸塩(テリボン)とPTH関連製剤であるアバロパラチド(オスタバロ)が該当します。
間欠的に投与することで、前駆細胞から骨芽細胞への分化促進作用、骨芽細胞のアポトーシス抑制作用を示し、骨吸収よりも骨形成が上回り骨新生が誘発されます。
②骨吸収抑制薬
ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤であるデノスマブ(プラリア)が該当します。破骨細胞の形成を抑制することで骨吸収を抑制します。
③骨形成促進&骨吸収抑制薬
両方の作用を示すのがヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤であるロモソズマブ(イベニティ)です。破骨細胞活性化と骨芽細胞抑制の 2つの作用で骨量を減らしてしまうスクレロスチンという糖タンパクを阻害する作用を持っています。
これにより骨形成促進かつ骨吸収抑制というデュアル・エフェクトを発揮します。
骨形成促進薬のテリパラチド(フォルテオ)とテリパラチド酢酸塩(テリボン)の特徴と共通点
「テリパラチド(フォルテオ)」の特徴
【投与方法・期間】毎日自己注射、投与期間24ヵ月まで
1日1回の間欠投与により骨芽細胞機能が活性化され骨新生が誘発されます。毎日投与して間欠投与になるのか?と思われるかもしれませんが、半減期が0.7時間と非常に短いため、連日の投与でも間欠投与となります。
冷所保管が必要な薬剤なので、服薬指導の際しっかり伝える必要があります。使用開始後も冷蔵庫に入れ、凍結を避けて2〜8℃で遮光保存し、使用開始日より28日を超えて使用してはいけません。インスリン製剤と異なり開封後も必ず冷蔵保存が必要な点は、特に強調しておきたいポイントですね。
なお、25℃以下であれば、28日間の投与が終わるまでの間に合計36時間まで持ち運び可能です。フォルテオ専用保冷ポーチに入れることで外気温30℃以下なら5時間、40℃以下なら3時間は製品を25℃以下に保てます。
「テリパラチド酢酸塩(テリボン)」の特徴
【投与方法・期間】週1回病院で皮下注射or週2回自己注射(オートインジェクター)、投与期間24ヵ月まで
フォルテオよりも投与回数が少なくて済むように作られており、患者の好みに応じて医療機関での注射か自己注射か選ぶことができる製剤です。オートインジェクターは1回使い切りの製剤で注射針が内蔵されている、週2回で済む、という点からフォルテオと比べて自己注射の負担が大幅に軽減されていると言えます。予定日に投与し忘れてしまったとしても、次の注射予定日の前日までであれば投与することが可能です。
保管はフォルテオ同様、2〜8℃での冷所保管です。なお、やむを得ず冷蔵庫に保管できなかった場合でも、30℃までの室温であれば3日間までは使用可能です。