【主要5剤比較表つき】プラリア・イベニティの使い分けと注意点
- プラリア(デノスマブ)
- イベニティ(ロモソズマブ)
- フォルテオ(テリパラチド)
- テリボン(テリパラチド酢酸塩)
- オスタバロ(アバロパラチド)
- デノタスチュアブル配合錠(カルシウム・ビタミンD・マグネシウム配合剤)
骨粗鬆症の薬物療法の注射薬後編です。
今回は主要5剤、「フォルテオ(テリパラチド)」、「テリボン(テリパラチド酢酸塩)」、「オスタバロ(アバロパラチド)」、プラリア「(デノスマブ)」、「イベニティ(ロモソズマブ)」のうち、医療機関でしか投与できない「プラリア(デノスマブ)」と「イベニティ(ロモソズマブ)」の特徴を整理していきます!
そして、最後に5つの比較一覧表も作ったので、ぜひご覧ください。
「プラリア(デノスマブ)」:中止時のリバウンド骨折と低Ca血症の防ぎ方
【投与方法・期間】医療機関で6ヵ月に1回皮下注射、投与期間の上限なし
RANKLに対するヒト型モノクローナル抗体で、破骨細胞の分化・活性化を抑制することで骨吸収を強力に抑えます。
6ヵ月に1回(年2回)の投与という点は患者・医療機関の双方にとって管理しやすく、メリットと言えるでしょう。本コラムに出てくる5製剤のうち唯一、''骨折の危険性が高い'’という制限がないため、適応患者の幅が広い薬剤です。
「プラリア」での治療において注意すべき点として、中止後のリバウンド現象があります。
投与を中止すると、これまで抑えられていた破骨細胞が急激に活動しはじめるため、一過性に骨吸収が亢進してしまいます。
閉経後骨粗鬆症患者において、海外第Ⅲ相二重盲検試験では治療中止後(最終投与から7ヵ月以降)に多発性新規椎体骨折が生じた例がプラリア群3.4%(プラセボ群2.1%)に認められたと報告されています。
「自己判断で中断しない」「中止する場合は必ず後継薬(ビスホスホネート等の骨吸収抑制薬)に切り替える」という2点が重要です。
また、低カルシウム血症の副作用に注意が必要であり、投与開始前に血清補正カルシウム値を確認します。高値でない限り、毎日カルシウム・ビタミンD(デノタスチュアブル配合錠など)の経口補充が必須です。
重度の腎機能障害患者ではこのリスクがより高まる点にも注意が必要です。
イベニティ(ロモソズマブ):「総投与12ヵ月」の制限と心血管リスク
【投与方法・期間】医療機関で月1回皮下注射(2本同時投与)、投与期間12ヵ月
スクレロスチン(骨形成の抑制因子)を阻害するヒト化モノクローナル抗体です。
骨形成促進と骨吸収抑制の二重作用を持つ唯一の薬剤であり、骨密度の上昇速度は5剤の中で最も速いとされています。
最大の注意点は心血管系事象のリスクです。海外試験においてアレンドロン酸ナトリウム群と比較してイベニティ群で虚血性心疾患または脳血管障害の発現割合が高い傾向が認められています。
そのため、少なくとも過去1年以内に虚血性心疾患または脳血管障害の既往歴のある患者への投与は避けることが推奨されています。
「イベニティ」の効果は12ヵ月の投与で検証されており12ヵ月を超えた投与は検討されていないため、投与終了後は原則として骨吸収抑制薬による治療継続が求められます。
ただし、PTH製剤のように総投与期間が定められているわけではないため、12ヵ月投与した後にも医師の判断によって再投与することが可能です。