肥満症治療でウゴービはどう使う?SD・MDの違いや服薬指導のポイント5つ
- 【肥満症治療薬】 ウゴービ皮下注(セマグルチド)/ ゼップバウンド(チルゼパチド)/ サノレックス(マジンドール)
- 【関連薬剤】 オゼンピック/リベルサス/DPP-4阻害薬/糖尿病用薬
「GLP-1受容体作動薬」による体重減少効果が注目を集める中、2023年11月に保険適用となった肥満症治療薬「ウゴービ皮下注」は、2026年6月には「代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)」の適応も追加されました。
ウゴービと同じ有効成分の「セマグルチド」を含有している「オゼンピック」や「リベルサス」が美容目的の自由診療で使われ社会問題化した経緯もあり、適応や投与対象が厳格に定められている薬剤です。
今回は、肥満症治療全体の中での位置づけや、特徴・注意点などを整理します。
サノレックスから一変!肥満症治療におけるGIP/GLP-1受容体作動薬の役割
日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン2022」では、BMI25以上を「肥満」、そこに健康障害を合併するか内臓脂肪蓄積がある状態を「肥満症」として区別しています。
治療対象はあくまで健康障害を伴う疾患としての肥満症であり、見た目や体重そのものではありません。
治療の基本は食事療法・運動療法・行動療法といった生活習慣介入で、薬物療法はこれらを実施しても効果不十分な場合の「上乗せ」という位置づけです。
これまでは中枢性食欲抑制薬のマジンドール(サノレックス、高度肥満症に限定・投与期間原則3ヵ月まで)がほぼ唯一の選択肢でしたが、近年は「ウゴービ」に加えGIP/GLP-1受容体作動薬「チルゼパチド(ゼップバウンド)」も保険適用となり選択肢が広がりました。
「セマグルチド」に関しては、東アジア人肥満症患者を対象とした臨床試験で、週1回2.4mg×68週間の投与で体重変化率-13.2%という報告があります。
48時間・72時間ルールを整理!「ウゴービ皮下注」の基本情報と投与方法
「ウゴービ皮下注」の基本情報
成分:セマグルチド
薬効分類:持続性GLP-1受容体作動薬
効能・効果:肥満症、肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎(中等度または高度の線維化を有する場合)
剤形:週1回皮下注射製剤(0.25mg/0.5mg/1.0mg/1.7mg/2.4mgの5規格)
保管:冷所(2〜8℃)、開封後は室温でも冷所でも可
0.25mgから投与を開始し、4週間隔で0.5mg→1.0mg→1.7mg→2.4mgと増量、以降は維持量として2.4mgを週1回投与します。
同一曜日での投与が原則で、消化器症状などで忍容性が得られない場合は増量を延期できます。
投与を忘れた場合は、次回投与予定日まで48時間以上あれば気づいた時点で投与し、48時間未満であればその回はスキップして次の予定日に投与します。
投与曜日を変更する際は、前回投与から72時間以上間隔を空ける必要がある点は、患者指導で特に確認したいポイントです。
最適使用推進ガイドラインにおける「ウゴービ皮下注」の投与対象は?
「ウゴービ皮下注」は最適使用推進ガイドラインの対象品目であり、施設要件・医師要件(臨床経験と学会の専門医を有していること)に加えて、患者要件が細かく規定されています。安易な美容目的処方を防ぐために設けられたルールで、要点は画像のとおりです。