いまさら聞けない「薬」のキホン8:「冷湿布」「温湿布」の違い
鎮痛作用のある湿布は、筋骨格系の痛みに対して内服薬と同様の有効性があるとされています1)。そして、内服薬に比べて胃腸障害などの副作用が少なく1)、腎障害患者・肝障害患者などにも使用しやすいメリットがあります。また湿布は貼付した患部に作用して、かつ全身循環系への吸収を抑えることで、局所的な消炎鎮痛効果を発揮します。その中でも「冷湿布」「温湿布」といった種類がありますが、それぞれどのような使い分けをするか説明できるでしょうか?今回はそんな“冷湿布・温湿布の違い”について見ていきましょう。
★One Point
冷湿布・温湿布の違い=痛みの状態によって使い分ける。
そもそも「冷湿布」や「温湿布」はともに鎮痛成分は共通しており、ロキソプロフェンナトリウムやサリチル酸メチル、ケトプロフェン、フェルビナクなど、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる分類の成分です。つまり湿布が冷たくても温かくても、鎮痛作用の効果は同じと言えます。
成分は同じですが、生理学的には痛みの状態に応じて、冷感と温感を使い分けることで症状を和らげることができます。