「押さえておきたい服薬指導のポイント『皮膚科疾患』」について
今回のm3ラーニングのテーマ
医師の診断ステップを学び、地域医療を担う、かかりつけ薬剤師として、受診勧奨が必要か否かを判断できるようになるための臨床推論の基礎講座です。
皮膚科では、頭から足先まで目に見える範囲すべてを対象としています。皮膚科疾患には、アレルギー性疾患、感染症、炎症性疾患、全身疾患に伴う皮膚症状、遺伝的疾患、腫瘍性病変など、多くの種類があります。
また、古くから「皮膚は全身(内臓)を映す鏡」とも言われ、皮膚症状から全身にかかわる疾患が見つかることもあります。目に見える皮膚科疾患はもちろん、内臓をはじめとする体内の状態やホルモンバランス、ストレスなどさまざまな要因が複雑に絡み合い、皮膚の症状として現れてくることが少なくなくありません。糖尿病、肝臓病、膠原病、悪性腫瘍など内臓疾患の早期発見につながることもあります。
この講座では、そうした皮膚科疾患の中でも代表的な疾患の病態や治療法を学び、その服薬指導のポイントを解説します。
代表的な皮膚科疾患の病態や治療法を学ぶ
この講座は、第1部「乾癬・掌蹠膿疱症」、第2部「アトピー性皮膚炎・接触皮膚炎」、第3部「蕁麻疹・アナフィラキシー」で構成されています。
第1部「乾癬・掌蹠膿疱症」
この章では、その病態や治療法について学びます。乾癬や掌蹠膿疱症は、患者さんのQOL(生活の質)に大きな影響を及ぼします。治療薬が開発され、以前よりも症状は改善するようになりましたが、そのためには処方薬を適正に使用することが非常に大切になります。病態や治療法を学ぶことで、適切な患者指導に役立てていただきたいと思います。
第2部「アトピー性皮膚炎・接触皮膚炎」
この章では、身近な疾患であるアトピー性皮膚炎や接触皮膚炎の病態と、外用薬の適切な使用方法を学びます。皮膚疾患において、症状の改善・維持には、外用剤の使用方法がとても重要です。身近な外用剤ですが、改めてその用法について学び、服薬指導に活かしていただくことを期待しています。
第3部「蕁麻疹・アナフィラキシー」
この章では、その病態と治療法を学習します。特に重要なエピペンの指導事項について詳しく説明します。食物アレルギーを持っている患者さんの中で、エピペンを所持している人はわずか0.4%にとどまります。ですからアナフィラキシーショックで命を落とさないためにも、薬剤師には大きな役割が求められます。エピペンの取り扱いを学び、適正な服薬指導につなげていただくことを願っています。
この講座を通じて学んでいただきたい大事なポイントとは
皮膚科疾患の治療においては、外用剤とスキンケアの継続が重要になります。しかし、患者さんの薬に対する間違った認識や、治療期間の長期化に伴い、アドヒアランスが低下することも多いのが実状です。それにより症状の再発に繋がりやすくなる懸念が高くなります。
本講座で「皮膚科疾患」の病態や治療法を学んだうえで、服薬指導のポイントを習得することにより、患者さんへの十分な服薬指導とフォローにつなげ、症状を良い状態に保てるように薬剤師さんにサポートしていただけることを願っています。