転勤妻でもママになってもキャリアをあきらめない!女性薬剤師のキャリアプラン
「転勤があるたびに職場を辞めなければならない」「子育てとの両立が難しい」など、ママや転勤妻になった女性薬剤師には独特の悩みがつきものです。
全国どこに行っても、薬剤師の職はあり、ブランクからの復帰もしやすいという強みはありますが、実際の生活と両立できるか、不安に思う女性薬剤師の方もいらっしゃると思います。
この記事では「ママ」や「転勤妻」という立場で、薬剤師としてのキャリアをどう積み上げていくか、そのヒントをお伝えします。
転職先をお探しします。
(エムスリーキャリア)
ママ薬剤師×転勤妻は大変さも2倍?
結婚して仕事をしていると、仕事と家事の両立が大変になりますよね。
子どもが産まれると、子育ては待ったなしなので、ますます大変になります。
もし結婚した相手が転勤族だったら...せっかく頑張ってきた仕事も、夫が転勤となると辞めざるをえなくなってしまいます。
夫の転勤先で仕事を探すのも大変ですし、そこでも長く働くことはできません。
そして子どもが産まれると、ますます仕事をするのは難しくなってしまいます。
ママ薬剤師かつ転勤妻となると、普通の薬剤師ママと比べて大変さも2倍、いや、それ以上となるかもしれません。
転勤妻薬剤師のお悩み
まず、転勤族の夫を持つ薬剤師はどんなことに悩んでいるかをみていきましょう。
夫の転勤のたびにキャリアがリセットされる
夫の転勤が決まるたびに、せっかく慣れてきた職場を離れなければならない──。
これは、薬剤師に限らず転勤妻の多くが抱える悩みです。
転勤妻の場合、せっかく働いてもすぐに辞めることがわかっているので、あえて働かずに専業主婦という選択をする人もいます。
しかし、努力して就いた薬剤師という職業、収入も高いため、専業主婦になるのはもったいない、できれば続けたい、と思う女性薬剤師はいらっしゃると思います。
また、医療の世界は変化が早く、2年ブランクがあると再就職のハードルが上がるとも言われています。
しかし、あたりまえですが、夫の会社の転勤の辞令は、妻の状況とは関係なくやってきます。
そのたびに、せっかく職場で積み上げてきたキャリアや人間関係をリセットしなければならなくなるのです。
せっかく慣れてきた職場も、1~2年で離れることになり、キャリアが途切れることに焦りや虚しさを感じる方も多いでしょう。
見知らぬ土地での転職活動に時間がかかる
土地勘がない、知り合いもいない──そんななかで職場探しをするのは時間も精神的なエネルギーも必要です。
新しい土地での求人探しには、情報収集から始まり、職場見学や面接の日程調整など、多くの時間と労力がかかります。
土地勘がない地域では、通勤距離や職場環境のイメージもつかみにくく、「どこで働くのがベストか」を判断するのも難しいもの。
薬剤師は難関の国家資格であり、全国どこでも働けますが、自分に合った職場を見つけるのは簡単なことではありません。
新しい土地とはいえ転勤先の職場でスムーズに働き始めることができる夫に比べ、妻のほうにばかり負担がかかっているのが実情です。
短期間の勤務で辞めることに対して罪悪感や引け目を感じる
「3年しか働けないのに採用してもらっていいのかな」
「せっかく採用してもらったのに、また辞めるのは申し訳ない」
そんな気持ちは、多くの転勤妻薬剤師が感じるものです。
薬剤師の仕事の内容の大変さがわかっているだけに、せっかく仕事にも人間関係にも慣れたころにスタッフが抜けてしまうことがどう影響するかも想像できてしまうのです。
採用されたということは、職場の側も短期間の勤務となることは了承済みということですが、それでも罪悪感はぬぐいきれないかもしれません。
そのような引け目を感じながら仕事をするのはなかなかつらいものです。
正社員として働けない
短期間で辞めなければならないことがわかっていると、どうしても正社員として働くのは難しくなります。
薬剤師妻は、夫の転勤先でパート勤務を繰り返すことになるのが現実です。
薬剤師としてスキルアップしたい、より深く患者さんのサポートがしたい、自分の思うようなキャリアを積んでいきたいという意欲が強い人ほど、理想とのギャップをつらく感じることになります。
孤独感を感じる
新しい土地では、まったく知り合いがいないところからすべてを始めなければなりません。
自分の家族や友達とも気軽に会えず、夫は仕事で忙しくてなかなか顔を合わせることもない。
職場でも、もうできあがっている人間関係のなかに新しく入っていくのはいろいろと気を遣うものです。
このような状況が繰り返されることは、転勤妻にとって大きなストレスとなります。
ママ薬剤師のお悩み
続いて、ママ薬剤師のお悩みをみていきましょう。
ママ薬剤師には、転勤妻のお悩みに加えて、子育ての大変なあれこれが降りかかってきます。
子どもの急病などで職場に迷惑をかける
子どもの急な発熱や保育園からの呼び出し──。
これがママ薬剤師にとっていちばん大変なことではないでしょうか。
これは、仕事と育児を両立している人は誰しも同じです。
ただ、短期間しか働けないのに子どものことで早退をしたり休んだりすることになると、申し訳ないという気持ちは大きくなるでしょう。
たとえ理解のある職場であっても、何度も続くと肩身の狭い思いをしてしまうものです。
フルタイムで働きにくい
子どもが小さい間は、保育園の送り迎えや家事育児の時間を考えると、フルタイム勤務は難しいのが現実です。
「もっと働きたいのに」とジレンマを感じることがあるかもしれません。
また、仕事を探す際に、なかなか時間的な条件に合う職場が見つからず、難航することもあります。
残業や休日出勤ができない
子どもが小さい間は、保育園の時間との関係もあり、急な残業や休日出勤は難しいものです。
たとえ子どもが小さいことを配慮してもらって短時間勤務をしているとしても、実際に同じ職場のスタッフが急な仕事で残業になったり、休日出勤をしているなかで自分だけが帰宅したりすることに、心苦しさを感じるかもしれません。
また、自宅の近くの調剤薬局やドラッグストアが残業や土日勤務を前提としている場合もあります。
時間的な制約が大きいことは、ママ薬剤師にとっては避けては通れないお悩みだといえるでしょう。
子育てのためブランクができた後の復帰が不安
子どもが小さい間は、短時間で調剤のみ、ドラッグストアでOTC販売のみなど、限られた仕事になりがちです。
また、もっと小さい乳幼児のうちは、割り切って外に働きに出ることはせず、専業主婦を選択する人もいるでしょう。
このようにブランクがあると、「もう現場に戻れないのでは…」という不安を感じるかもしれません。
特に、医療現場は変化が激しく、診療報酬も変わるため、「ブランクは2年まで」という声も聞かれます。
そのような状況にあると、いざ子どもの手が離れて再就職できる、となっても不安を感じてしまうのです。
薬剤師はママでも転勤妻でも、最強
ここまで、転勤妻とママならではのお悩みに焦点を当ててきました。
薬剤師は女性にとって最強の資格とも言われています。
ここからは、ママ×転勤妻であっても薬剤師は有利であることを確認していきます。
ママでも転勤妻でも、薬剤師は最強に変わりはない
資格を持たない一般職の女性は、夫の転勤などでいったん仕事を辞めると、なかなかいい条件の仕事に再就職することはできません。
ママになってパートを探すと、最低賃金に近い仕事しか見つからないのが実情です。
しかし、たとえ女性であっても、薬剤師であればそのような状況になることはありません。
薬剤師という資格は、ママにとっても転勤妻にとっても、最強の味方だといえます。
全国どこでも仕事を探せる
病院や調剤薬局は、全国どこにでもあります。
都市部に多くあるのはもちろんですが、地方であっても、へき地や離島であっても、医療のニーズがない場所はありません。
医薬品が扱えるのは薬剤師だけなので、全国どこでも薬剤師は必要とされています。
地方のほうが薬剤師不足は深刻であるため、仕事が探しやすかったり、パートの時給が高かったりすることも珍しくありません。
これは薬剤師という仕事の最大の魅力といえるでしょう。
パートや派遣でも時給が高い
薬剤師は、パートや派遣であっても、時給の水準は高くなっています。
ほかの主婦パートのように最低賃金ぎりぎりといったことはありません。
薬キャリエージェント調べによると、パート薬剤師の平均時給は、病院で2052円、調剤薬局で2072円となっています。
同じ調べによると、派遣薬剤師の平均時給は3341円という高水準です。
ちなみに令和7年度の地域別最低賃金は、東京が1226円、全国加重平均額は1121円です。
参照:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」より「令和7年度地域別最低賃金の全国一覧」
ほかの職業と比べると、パート薬剤師も一般パートの約2倍という高水準ですが、派遣薬剤師は約3倍であり、かなりの高時給であるといえます。
たとえパートの短時間勤務でも、まとまった収入を得ることができます。
働き方の自由度と経済的安定を両立できる数少ない仕事といえるでしょう。
週3日以内、10時~16時勤務など、ママに最適な条件求人をご紹介します
ママ薬剤師や転勤妻のキャリアプランのポイント9つ
薬剤師という資格がママや転勤妻にとって最強の資格であることは確かです。
ただ、いろいろと制約があるなかで満足できるキャリアを実現するには、いくつかのポイントを意識しておく必要があります。
ポイント1・連続性より積み上げを重視する
「キャリア」というと、ひとつの仕事を継続しながら昇進していくイメージがあります。
特に日本では、同じ仕事を続けることをよしとする風潮が強いといえるでしょう。
しかし、一つの職場で長く働けなかったことをマイナスに捉える必要はありません。
どの職場で働いたとしても、そこでしかできない経験を得てきているのです。
「この職場で何年働いたか」ではなく、「この地域で何を学び、どのような患者さんに対応し、何を次の職場に活かせるか」という専門的な知識や経験の積み上げを意識しながら働いてみましょう。
そして、これまでのキャリアを、「どの土地でも即戦力として貢献した経験が積み上がってきた」と捉え直してみましょう。
職場が変わることは、新しいスキル・知識・人間関係を得るチャンスだという面もあるのです。
これまでの勤務地と、そこで得たスキル(例:在宅専門薬局の経験、小児科応需経験、多職種連携の経験など)を記録し、ポートフォリオを作成しておくと、次の転職活動の際にアピールポイントにできます。
ポイント2・短期集中で貢献するプロ意識を持つ
転勤妻である限り、同じ職場で長く働くことは難しいかもしれません。
また、育児があると1日のうち働ける時間は限られてしまいます。
ただ、薬局や病院を利用する患者さんにはそのようなことは関係ありません。
短期間勤務でも、勤務時間中はプロフェッショナルとして成果を出すことを意識しましょう。
日々、誠実に仕事をしていれば、転職を繰り返しても信頼は積み重なります。
そのように集中して働く経験は、新しい職場でも自分を支えてくれるでしょう。
ポイント3・子どもの年齢とライフイベントから柔軟にキャリアプランを変えていく
子どもの年齢によって、ママが働ける時間は変化していきます。
乳児期から小学校の間はパート勤務、思春期以降は常勤に復帰して子どもの学費を稼ぐ──
このように、子どもの成長段階に合わせて働き方を変えることができるのは、薬剤師という資格の大きな強みです。
一般職であれば、一度パートになると正社員として再就職するのは大変ですが、薬剤師であれば比較的スムーズに正社員として再就職することができます。
ポイント4・短期間勤務でも継続できる専門性の軸を持つ
夫の転勤に合わせて職場を変えていると、いろいろな領域に関わる機会があるでしょう。
そのなかから、「在宅医療」「漢方」「小児科」「OTC」など、自分なりの専門性をひとつ見つけておくと、転勤先でも仕事を探しやすくなります。
特に、これからますますニーズが高まる在宅医療や介護関係はおすすめです。
専門分野を持つことは、これから仕事を続けていくモチベーション維持にも役立ちます。
ポイント5・退職・異動を見越してスムーズな引き継ぎ体制を作っておく
転勤妻である以上、いつか来る退職は避けられないといえます。
だからこそ、自分が辞めても迷惑をかけないように、日ごろからマニュアルを作ったり、業務の共有や・後任への指導を意識したりすることが大切です。
このような準備を心がけておくことで、まわりからの信頼を得られると同時に、自分も安心して働くことができます。
ポイント6・収入を重視するなら派遣も選択肢に入れる
「いろいろと制約はあるけれど、短期間でもしっかり稼ぎたい」という場合は、派遣薬剤師という選択肢が最適です。
先ほどみたように、派遣薬剤師の平均時給は3341円。
1日5時間勤務、週に3日勤務としても、約20万円の収入を得ることができます。
もっと長時間働けば、より高収入となります。
また、派遣は期間が限定された働き方なので、自分から仕事を辞めることを伝えるストレスもありません。
夫の転勤が半年後であると思われるときは、派遣期間が3か月区切りや半年以内の求人を選べば安心です。
ある意味、転勤妻にとって最も適した働き方といえます。
夫の転勤のスパンと考え合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
ポイント7・ブランクは「スキル休止」ではなく「育児スキル獲得」期間と考える
子どもが産まれたばかりだったり、子どもが小さくて夫の次の転勤が迫っていたりするときなど、無理に働きに出ないほうがいい時期はあります。
まじめでキャリアに対して前向きな人ほど、このような時期をブランクと感じてあせりを感じてしまうかもしれません。
しかし、仕事上のブランクは人生のブランクではありません。
子どもや夫と向き合って家族の時間をすごせる、人生のなかで大切な時間です。
また、いろいろと大変なことの多い育児は、実は最強のマネジメント経験でもあります。
限られた時間で複数のタスクをこなす力、相手の気持ちを察する力、冷静な判断力──
これらは薬剤師の仕事にも活かすことのできるスキルです。
外で働いていないことを後ろ向きに捉えず、常に貴重な経験を積んでいると考えて、「いま」という時間を大切にしていきましょう。
ポイント8・在宅やリモート勤務も考える
医療現場でもオンライン診察が広がりを見せています。それに伴って、オンライン服薬指導も注目を集めています。
これからは、薬剤師の世界でも、在宅服薬指導やリモート勤務が広がっていくことも予想されています。
在宅勤務やリモート勤務ができれば、夫が全国どこに転勤になっても仕事を続けることができます。
まだ選択肢は多くありませんが、時代の流れは早いです。広くアンテナを張って、可能性を探っていきましょう。
ポイント9・転勤妻・ママ薬剤師としての経験を患者さん対応に活かす
転勤や子育てを経験したママ薬剤師は、人の気持ちがわかる薬剤師になります。
引っ越しが多くて新しい土地で不安になった、子育てのなかでいろいろな悩みにぶつかった...、そんな経験をしているからこそ、さまざまな境遇にある患者さんの気持ちに寄り添うことができるのです。
また、妻としてママとして限られた時間の中で、家事や育児、そして仕事をやりくりしてきたため、効率よく動く力も身についています。
転勤妻やママとしての経験は、薬剤師としての総合力をぐっと深めてくれます。
転居も育児も、あなたのキャリアを豊かにする糧となるのです。
転職先をお探しします。
(エムスリーキャリア)
まとめ
「リセットされるキャリア」をどう積み上げるか、それがママ薬剤師や転勤妻の最大の課題かもしれません。
ママ薬剤師も転勤妻も、家族のことで自分の仕事がままならなくなるという点で、たしかに大変です。
しかし、薬剤師という資格があれば、全国どこでも、どんな形でも働くことができます。
大切なのは、「長く続ける」より「積み上げる」ことを大切にする意識を持ち、経験をすべてキャリアの糧としていくことです。
薬剤師という国家資格を味方に、どんな場所でも自分らしい働き方を見つけていきましょう。
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