慢性心不全治療薬「エンレスト」の作用機序
薬の作用機序を理解していると、患者さんへの服薬指導の際にしっかりと説明することができます。しかし、お薬の中には、薬の専門家である薬剤師さんでも作用機序が複雑と感じるものがあります。
そんな薬をピックアップして、体内で起こることをキャラクター化して説明します。
今回は慢性心不全治療薬「エンレスト」について解説いたします!
気分良く散歩している青白さんをある病が襲います。
慢性心不全ではなにが起こっている?
エンレストを処方された青白さん。
慢性心不全で倒れてしまったようです。
このときからだの中ではなにが起こっていたのでしょうか?
心臓からのメッセージ
心臓機能が低下して、送られてくる静脈血よりも少ない量の動脈血しか送ることができていません。
腎臓は送られてくる動脈血が少ないため、からだの中の水分量が足りないと判断。
レニンを分泌してアンジオテンシンII(AT II)の産生を促します。
結果的に、送られてくる静脈血量が増えてしまい、心臓の負荷がさらに大きくなってしまいます。
耐えかねた心臓はNa利尿ペプチド(BNP, ANP)を産生して、腎臓に水分を捨ててもらうようにお願いしました。
これで血液量が減り、心臓の負担が下がるはずでしたが・・・
エンレストを服用すると
エンレストがターゲットとするネプリライシンが登場!