アルツハイマー治療薬「レカネマブ」の作用機序を学ぼう
薬の作用機序を理解していると、患者さんへの服薬指導の際にしっかりと説明することができます。しかし、お薬の中には、薬の専門家である薬剤師さんでも作用機序が複雑と感じるものがあります。
そんな薬をピックアップして、体内で起こることをキャラクター化して説明します。
今回はアルツハイマー治療薬「レカネマブ」について解説いたします!
青白さんにはおばあちゃんがいます。
様子が気になって時々遊びに行くのですが・・・
後日、アルツハイマー病と診断を受けた青白おばあちゃん。
治療薬として「レカネマブ」の注射を受けることに。
このお薬はどのようにして効果を発揮するのか、見ていきましょう。
アミロイド仮説
アルツハイマー病の原因ははっきりと解明されていませんが、アミロイド仮説が唱えられています。
患者さんの脳内では、神経細胞さんの外にアミロイドβ(以下Aβ)の凝集体ができます。これが蓄積されていくと、今度は神経細胞内にタウが蓄積し、軸索に必要な微小管のはたらきを阻害します。その結果、神経細胞さんが破壊されていきます。
Aβができるメカニズム
Aβには前駆体タンパク質があり、普段はα-セクレターゼが正しい位置で切ってくれます。ところがβ-セクレターゼとγ-セクレターゼが違う位置で切断してしまい、その結果Aβができてしまうのでした。