RASI+利尿薬+NSAIDs「トリプルワーミー」が引き起こす急性腎障害リスク
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処方されたお薬を飲んだ青白さんは、なんと急性腎障害で倒れてしまいました。かかりつけ薬剤師のおくすりさんに相談したところ、青白さんは元々
- 高血圧の治療薬としてRASI(レニン・アンジオテンシン系阻害薬)
- 利尿薬
を処方されていました。さらについていないことにぎっくり腰(急性腰痛症)になり、NSAIDsを追加で処方。その結果、三剤を同時に服用してしまいました。
この「RASI+利尿薬+NSAIDs」の三剤併用は、急性腎障害や慢性腎機能障害のリスクを高めることから「トリプルワーミー」と呼ばれています。では、青白さんの体内ではどのようなメカニズムで腎障害が起きたのか、改めて確認してみましょう。

別々の薬局で合計三剤処方
お薬を受け取りに、いつもと違う調剤薬局に行った青白さん。
おうちでお薬を3種類飲みました。

治療薬の確認でRASIと利尿薬の処方が発覚
処方されたお薬を飲んだ青白さん。なんと急性腎障害で倒れてしまいました。
かかりつけの薬剤師さん「おくすりさん」に相談したところ、青白さんには高血圧の治療薬として、RASI(レニン・アンジオテンシン系阻害薬)と利尿薬が処方されていたようです。
三剤併用(トリプルワーミー)

高血圧の治療薬に加えて、ぎっくり腰(急性腰痛症)でNSAIDsを処方された青白さん。
なんとこの三剤を併用すると、腎機能が低下してしまいます。急性腎障害や慢性腎機能障害のリスクが上がります。この三剤併用を「トリプルワーミー」と言います。

1. 利尿薬が循環血流量を低下
それではトリプルワーミーはどのようにして起きたのか、詳しく見ていきましょう。
青白さんが倒れる前から遡ること◯日前。
青白さんの心臓は、高血圧によって負担を感じていました。そこで利尿薬が利尿作用によって、循環血流量を減らしてくれました。
これが腎血流量が低下した第一段階です。

2. RASIが輸出細動脈の収縮を抑制
また、青白さんにはRASIも処方されています。
アンジオテンシンIIは輸出細動脈を収縮させて、糸球体内圧を上昇させます。RASIはアンジオテンシンIIを阻害することで輸出細動脈の収縮を抑制し、腎血流量がさらに減少しました。
ここまでは平和だったのですが…?