「神様の同情」 ―受験前日、雪のため飛行機が着陸できず…
「M3メンバーズメディア」では医師会員から寄せられた記事の一部をご紹介します。今回は大学受験・国家試験にまつわる「受験の思い出」がテーマです。薬剤師の先生方も皆さんが通った、夢への道。合格発表の季節には毎年懐かしく想い返される方もいらっしゃることでしょう。悲喜こもごものエピソードを全4回でお届けします。普段とは違うドクターの素顔が垣間見られるかもしれません。
「M3メンバーズメディア」では医師会員から寄せられた記事の一部をご紹介します。今回は大学受験・国家試験にまつわる「受験の思い出」がテーマです。薬剤師の先生方も皆さんが通った、夢への道。合格発表の季節には毎年懐かしく想い返される方もいらっしゃることでしょう。悲喜こもごものエピソードを全4回でお届けします。普段とは違うドクターの素顔が垣間見られるかもしれません。
「神様の同情」
33年前、私は二浪目の受験で「確実に合格しなければ」と追い詰められていました。受験校が決められず、締め切り間際まで悩んだ末、行ったこともない東北の地方国立大に願書を提出しました。
願書を出そうと思い、郵便局に赴くと、窓口で「雪のため締め切りまでに配達する保証はできない」と言われ大慌て。両親に相談し、結局、「直接、大学まで持参するのが確実」との結論で、生まれて初めて飛行機に乗って提出に行きました。想像を超える大雪に驚愕しつつ、見慣れぬ雪景色に感動。無事提出した後は、夜行列車に乗って、右も左もわからぬまま、駅員さんに助けられながら帰宅の途につきました。
またもや大雪!!
さあ、いざ受験。万全の態勢で臨むかと思いきや、馬鹿な私は願書提出時の苦労を学習しておらず、前日の飛行機で現地入りを企てました(遠方からの受験者は殆んど数日前入りでした!)。
緊張、不安を抱えながら飛行機に乗っているとアナウンスが。「雪のため着陸が難しく、出発空港に引き返す可能性があります」と…。まさに悪魔の声に聞こえました。
どうなってしまうのか…と混乱していると他にも受験生が複数乗っていたようで、CAに次々と窮状を訴え始めました。あたりは騒然。すると、機長と相談したのか、「隣県の空港に着陸します」と天使の声が…。見も知らぬ土地に着陸後、わけのわからぬまま電車を乗り継ぎ、現地到着は午前0時過ぎ。
ほほえんだ天使
これで落ちても責められないよな」と開き直り、参考書をパラパラ見ながら迎えた受験の当日の朝を迎えました。すると、なんと化学の試験でその時見た問題がそのまま出題されました。「神様が同情してくれたんだな」と思いながら試験終了。結果は合格。
トラブルだらけの中で開き直りができたのが良かったのでしょうか。良き思い出であり、人生に生きる経験でした。