「Farewell to Mr.R.M」-大腸癌で急遽寄港したフィリピン人船長との思い出-


「M3メンバーズメディア」では医師会員から寄せられた記事の一部をご紹介します。今回からシリーズとして、「心に残る症例」をテーマにエピソードをご紹介したいと思います。薬剤師の先生方も、いつまでも印象に残る症例、患者さんとの想い出があるかと思います。中には仕事の在り方を考えさせられるかもしれないエピソードもあるかもしれません。日々のお仕事にプラスの変化となるような、「気づき」を感じてもらえたら幸いです。

M3メンバーズメディア」では医師会員から寄せられた記事の一部をご紹介します。今回からシリーズとして、「心に残る症例」をテーマにエピソードをご紹介したいと思います。薬剤師の先生方も、いつまでも印象に残る症例、患者さんとの想い出があるかと思います。中には仕事の在り方を考えさせられるかもしれないエピソードもあるかもしれません。日々のお仕事にプラスの変化となるような、「気づき」を感じてもらえたら幸いです。
Dr.きむっち
私は、当時医師になって3年目(外科後期研修中)でした。職場は、屋根瓦式の研修医教育を掲げていた、A病院です。研修医1年目から胆嚢結石症の腹腔鏡下胆のう摘出術・鼠径ヘルニア根治術・虫垂切除術・下肢静脈瘤のストリッピングなどの執刀をさせてもらい、2年目からは開腹による大腸癌/胃癌の手術・シャント造設・絞扼性イレウス・胆嚢炎の腹腔鏡下胆のう摘出術など、3年目になるとさらに執刀させてもらえる手術が増え、外科医としての自信もついてきた時期でした。
当時のA病院は、まだしっかりとした救急科がなく、3年目以降の医師は問答無用で当直のリーダーとなり…