生涯年収を上げたい薬剤師と相性抜群。NISAのメリットデメリット
- 薬剤師はNISAのつみたて投資枠と相性が良い
- NISAは、目的に応じて「つみたて投資枠」と「成長投資枠」がある
- NISAの運用益は全て非課税で、その期間は無期限
- 投資で大切なのは、「長期」、「積立」、「分散」、「非課税」
今回のテーマは投資です。
「投資」と聞くと、抵抗感があったり、損したりするかもと思ったり、マイナスなイメージをお持ちかもしれません。もちろん投資には元本保証がありませんので、損する可能性も十分にあります。
そんな中、皆さんが一度は耳にしたことのある「NISA(ニーサ)」は国が進めている投資で、他の投資(例:FXや仮想通貨)と比べて比較的安全と言われています。
また、薬剤師は若い頃の年収が一般サラリーマンよりも高いことから、早期にNISAを始めることで、より長期保有のメリットを享受することが可能です。
本コラムでは2回に分けて、薬剤師の投資の入門として最適なNISAの特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。
2024年にリニューアルした「NISA」
NISA(少額投資非課税制度)は元々、イギリスのISA(Individual Savings Account:個人貯蓄口座)をモデルであり、その日本版ということでNISA(Nippon Individual Savings Account)と名付けられました。
NISAの制度自体は2014年からありましたが、2024年1月から大幅に改良された新しいNISAがスタートしています。
NISAは、目的に応じて「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の二つが用意されていて、併用することができます。
それぞれの投資枠の説明は、以下の図1をご覧ください。また、生涯を通じての非課税保有限度額(非課税投資枠)は1,800万円とされています(うち、成長投資枠の限度額は1,200万円まで)。
図1:2024年から始まったNISA制度の概要(つみたて投資枠と成長投資枠)
「NISAのポイント」(金融庁 )をもとに薬剤師コラム編集部が作成
NISAのメリット
では、ここからNISAのメリット・デメリットについて紹介していきましょう。正直、デメリットはほぼありませんので、メリット面が中心です。主なメリットは以下の3つです。
- 運用益が非課税
- 非課税保有期間が無期限
- 非課投資枠の再利用が可能
順に見ていきましょう。
<① 運用益が非課税>
通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して20.315%の税金がかかります。利益が10万円の場合、20,315円の税金を納める必要があります。
一方、NISAの中で投資をした場合、得られる利益は全て非課税です。利益が10万円でも100万円でも税金はゼロです。
なお、第4回のコラムで紹介予定のiDeCo(イデコ)も、NISAと同じく運用益が全て非課税ですので、併せて覚えておくとよいでしょう。
<② 非課税保有期間が無期限>
2024年以前のNISA制度は、①の非課税の期間が限定的でした(制度によって5年または20年)。そのため、非課税期間が終了するときの出口戦略が悩ましかったり、安易に切り崩したりすることが困難でした。また、NISAは長期保有によって、その効果が高まりますが、非課税期間が限定的であると、その効果が得られにくいといった問題点もありました。
一方、2024年から始まったNISA制度は、非課税期間が無期限になったため、非課税期間を気にすることがなくなり、また長期保有の恩恵を最大限享受することが可能になりました。
<③ 非課税投資枠の再利用が可能>
NISAはいつでも好きなタイミングで切り崩し(売却して現金化)することが可能です。例えば、
- 家を買うときの頭金の一部
- 子供の教育費(特に大学入学時)
- 海外旅行の足しに
- 老後の生活費として切り崩し
という感じで、あなたのライフイベントに合わせて自由に切り崩して現金化することが可能です。
2024年以前のNISA制度は、一度切り崩すと、その非課税投資枠は復活しなかったため、自由度が高いものの、タイミングに苦渋するケースがしばしばありました。
一方、2024年から始まったNISA制度は、非課税投資枠の再利用が可能になりました。生涯を通じての非課税投資枠の限度額は1,800万円ですが、そのうち100万円分を切り崩したとしても、翌年には100万円の枠が復活します(2024年以前のNISAの場合、復活しなかった)。
以上がNISAのメリットです。非課税かつその期間が無期限化されたことから、より長期保有に適した制度に生まれ変わりました。また、非課税枠の再利用が可能となったことから、自由度も増したと言えるでしょう。
「NISA」にはデメリットもあるの?
ここまではメリット面を強調して紹介してきましたが、