【薬剤師向け】iDeCoのメリット・デメリットとは?適している薬剤師タイプも紹介
- ☞ iDecoとは公的年金制度の1つ
- ☞所得控除や非課税の恩恵を受けられる
- ☞デメリットとしては資金拘束がある
- ☞退職金制度のない薬剤師におすすめ
皆さんの職場に退職金制度(企業年金制度など)はありますか?薬剤師の平均的な退職金は約1,000~1,500万円と言われていますが、それよりも低かったり、退職金制度自体がなかったりすることもしばしばあります。
退職金があまり期待できない場合、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」と呼ばれる制度を活用してみてはいかがでしょうか?節税効果はもちろんのこと、将来の資産形成にも役立つ制度です。これまでに紹介したNISAとの違いについても解説していきます。
iDeCoは年金制度の一種で3階に該当する
国主導の年金制度である「公的年金制度」は、大きく分けて2種類あります。
① 国民年金(基礎年金):20歳以上の全国民が対象
② 厚生年金:20歳以上のサラリーマン・公務員が対象
つまり、20歳以上で自営業や主婦(夫)は「①国民年金」のみ、サラリーマンは「①国民年金+②厚生年金」に強制的に加入していることになります。このことから、①国民年金のことをいわゆる「1階部分」、②厚生年金のことを「2階部分」と呼ぶこともありますね。
また、公的年金制度とは別の「私的年金制度」として個人や会社が加入できる「3階部分」の年金もあって、ここに企業年金やiDeCoが含まれます。
図1:日本の年金制度:1・2階が公的年金制度、3階が私的年金制度
iDeCoの3つのメリット
iDeCoは申込時に決めた毎月の積み立て金額(最低5,000円)を拠出し,お金を運用していきます。iDeCoでは、以下の3つの運用先を組み合わせて選択することが可能です。
- 預 貯 金:銀行預金と同じ。元本確保型のため元本割れはない。
- 保険商品: 生命保険(終身保険),積立傷害保険など。元本確保型のため元本割れはほぼない。
- 投資信託: 国内外の株式,債権,不動産など。元本変動型のため、元本割れリスクあり。
考え方としてはNISAの投資商品選びと同じですが、NISAは預貯金や保険商品を購入することはできませんでした。ただ、将来の資産形成を目的とするならば、iDeCoの運用も第3~4回で紹介した「長期」、「積立」、「分散」に沿った投資信託を選択するとよいでしょう。
これだけだと、「え?NISAと何が違うの・・?」と思ってしまいますよね。iDeCoは、NISAにはないメリットもありますので、iDeCoのメリット3つを紹介しながらその差について理解していきましょう。
【メリット①:拠出した金額は全額所得控除が適用できる】
iDeCoで拠出した金額は、その全額が所得控除の対象のため、節税効果が高いといったメリットがあります(図2)。