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薬剤師が気になる年収・給料コラム

更新日: 2024年1月1日 薬剤師コラム編集部

薬剤師の年収は低い?具体的な年収額や年収を上げる方法を紹介

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薬剤師の年収は低い?具体的な年収額や年収を上げる方法を紹介の画像2

薬剤師の年収は低いと思われることがあるようです。薬剤師の年収が低いと言われている理由は何でしょうか?薬剤師の平均年収は一般の平均年収と比較して高いのか、低いのか?また、年収アップのポイントについても解説します。

薬剤師の年収は本当に低い?

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ここでは薬剤師の年収が本当に低いのか、具体的な平均年収を挙げながら解説します。気になる方はぜひ参考にしてください。

世の中の平均年収と比較

厚生労働省発表の「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」によると、一般労働者の平均年収は平均年収は374万円(※1)です。一方で、薬剤師の平均年収は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」によると、583万円(※2)です。
単純に比べると薬剤師は給与所得者全体と比べて209万円高いことから、世の中的には決して年収が低いとはいえないでしょう。

(※1)般労働者の平均年収は、厚生労働省「付表2 一般労働者の性、雇用形態別賃金及び雇用形態間賃金格差の推移/令和4年賃金構造基本統計調査の概況」より、男女計の正社員・正職員の賃金に12を掛けた数字を平均年収としている
(※2)薬剤師の平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出
薬剤師の平均年収 583万円
一般労働者の平均年収 374 万円

雇用形態別の平均年収と比較

正社員

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」によると、一般労働者で、正社員(正職員)の平均年収は、394万円(※3)です。薬剤師は、先述の令和4年の「賃金構造基本統計調査」によると、平均年収は583万円です。
これらの結果から、薬剤師は一般的な給与所得者の正社員よりも、平均年収は約190万円以も高いことがわかります。

(※3)厚生労働省「付表2 一般労働者の性、雇用形態別賃金及び雇用形態間賃金格差の推移/令和4年賃金構造基本統計調査の概況」より、男女計の正社員・正職員の賃金に12を掛けた数字を平均年収としている

派遣社員

薬剤師の派遣社員の平均時給は2,600円程度(※4)です。一般的な派遣社員よりも時給は高めです。もし、時給2,600円で1日8時間、月20日働ければ、月給は40万円以上になります。派遣社員として薬剤師で働く場合でも、正社員一般労働者の平均年収である394万円を上回ります。
派遣社員の薬剤師でも、一般労働者の平均年収以上の収入は得られます。

パート・アルバイト

薬剤師のパートやアルバイトでも、平均時給は2,000円(※5)程度です。一般的なパートやアルバイトの時給に比べ高めです。ちなみに、パートやアルバイトの薬剤師の場合、勤務先は主に調剤薬局やドラッグストアの求人が多いです。また、勤務時間も1日数時間だけでOKな求人もあります。
勤務時間や勤務日数が少ないと、必然的に収入は下がります。しかし、育児や介護などとの両立を図りたい人にとっては魅力的です。

(※4、5)薬剤師コラム編集部調

ほかの医療従事者と比較

続いては、他の医療従事者との給与を比較し、薬剤師の年収が低いのかどうか見てみましょう。

医師

医師の平均年収は、1,429万円です。医師は薬剤師と同じ6年生の大学を卒業していますが、薬剤師と846万円の差があり、年収はかなり高いです。

歯科医師

歯科医師の平均年収は810万円です。こちらも薬剤師と同じく、6年生の大学を卒業していますが、薬剤師よりも227万円年収が高いです。

看護師

看護師の平均年収は508万円です。薬剤師の平均年収と比べるとやや少なめとなっていますが、それでも一般労働者の平均年収よりは高いです。

このように、薬剤師をはじめとした医療従事者の平均年収は、他の給与所得者と比べて高いことがわかります。

職種 平均年収
医師 1,429万円
歯科医師 810万円
看護師 508万円
薬剤師 583.4万円
※平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額で算出

薬剤師の年収が低いと思われる理由

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薬剤師の年収が低いといわれる背景にはいくつかの理由が考えられます。

6年制大学卒の医師や歯科医師より年収が低いから

薬剤師は6年生の大学を卒業し、国家試験に合格しなければなりませんが、同じく6年生の大学で勉強し、国家試験に合格する必要のある医師や歯科医師と比べると、薬剤師の年収は低めです。
しかし、例えば医師は、医療分野以外も含めた全ての職種の中でもトップクラスに難易度が高く、高度な専門知識が求められる職業です。薬剤師の給料が低いと考えるのではなく、医師の給料が高く設定されていると考えた方がいいでしょう。歯科医師も同様です。

業種によって年収に差があるから

同じ薬剤師でも、就職先の業種によって年収に違いがあります。例えば、製薬会社で働いている薬剤師は比較的給料が高く、中には年収800万円を超えるケースもあります。
病院や調剤薬局は、薬剤師が勤める業種の中でも比較的年収が低いです。それでも、一般労働者と比べると、決して低い年収ではありません。

地域によって年収に差があるから

薬剤師は地域によって年収に差があります。
薬剤師の年収は、都市部と比べて地方の方が高い傾向にあります。都市部は薬剤師が十分に足りている一方で、地方は薬剤師が不足しているためです。年収を重視するのであれば、地方で働く選択肢もあります。

給料が上がりにくいから

薬剤師の平均年収は、昇給幅はそれほど大きくなく、微増となっていることから、長期的にみると給料が上がりにくいと考えられます。そのため、年収が低いと言われているのかもしれません。
ただし、薬剤師の給料が決して低いというわけではなく、他の給与所得者の平均年収と比べると高いです。この点から定年まで、大きな昇給はないとしても安定した収入が得られると考えることもできるでしょう。

薬剤師の年収は低い?具体的な年収額や年収を上げる方法を紹介の画像5
※平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額で算出

薬学部の高い学費に比べて平均年収が低いから

薬剤師になるには、薬学部で6年間学び、さらに国家試験に合格しなければなりません。私立大学の薬学部で学ぶ場合、学費は6年間で1,000万円近くになります。1,000万円の学費を払い、学部卒で働く人よりも2年間長く勉強しているにも関わらず、一般的な給与所得者よりもわずかに高い給料をもらっている状況だと、年収が低いと感じる薬剤師の方もいるかもしれません。

薬剤師の年収が低いかは職場による?

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同じ薬剤師でも、業種や職場によって年収に違いがあります。ここでは、職場別の年収について解説します。

調剤薬局

日本各地にある調剤薬局は、平均年収517万円(※6)で、薬剤師の他の職場よりも比較的低い金額です。もちろん、昇進をしたり、後述するような専門資格を取得したりすることで、さらに給料が高くなる可能性はあります。また、都心部よりも地方の方が給料が高い傾向にあるため、地方の調剤薬局で働けば、年収を上げられるでしょう。

病院薬剤師

病院は薬剤師の主要な就職先の一つで、病院に薬剤師は欠かせません。そんなニーズに反して、平均年収は474万円(※7)程度、今回取り上げた薬剤師の職場の中で、病院薬剤師は最も年収が低いです。
しかし、年収こそ低い傾向にありますが、病院勤務薬剤師になると、先進医療に関われたり、患者に近い場所で仕事ができるため、人気が高い職場です。

ドラッグストア

薬剤師の資格を活かして、ドラッグストアで働くこともできます。全国各地にチェーン店を展開するドラッグストアも少なくありません。
平均年収は514万円(※8)程度ですが、役職によってはさらに年収が高くなることも珍しくありません。ドラッグストアによっては店舗を急速に拡大しているために、どこも人手不足で、給料を高く設定し人材を集めようとしているケースが多く見られます。また、大手ドラッグストアチェーンの場合、都市部や地方部に関係なく給与体系が一律となっている場合もあります。

製薬会社

製薬会社には、研究開発職のほか、MRや学術職、薬事職などさまざまな職種がある点が特徴です。そんな製薬会社の平均年収は500〜600万円(※9)程度です。職種や役職によっては、この年収額以上になるケースもあるでしょう。特に、MRや研究職では、年収1,000万円を超えることもあります。
先ほど、薬剤師の給料は伸びにくいと説明しましたが、製薬会社の場合、新卒で入社すると定期的に昇給する製薬会社がほとんどです。

(※6~8)薬キャリエージェント調べ
(※9)薬剤師コラム編集部調べ
薬剤師の主な勤め先 平均年収
調剤薬局 400〜500万円
病院薬剤師 400〜450万円
ドラッグストア 500万円〜550万円
製薬会社 500〜600万円

薬剤師の年収を上げる方法

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薬剤師の年収は、世間一般と比べると決して低くはありません。低く思われがちな理由は説明しましたが、それでも、ご自身の年収をもっと上げたいという薬剤師の方向けに、年収アップのポイントをご紹介します。

地方へ転職

薬剤師は、一般的に人手が足りている都市部よりも、人手不足の地方のほうが年収が高い傾向にあります。年収アップには、地方に転職するのも方法の一つです。
地方の場合は、年収が高くなることに加え、物件価格が安いというメリットもあります。地域によっては車通勤が一般的なため、満員電車の通勤から解放されるといったメリットもあります。

管理薬剤師や薬局長を目指す

管理薬剤師や薬局長を目指す方法です。昇給のほか、企業によっては役職手当がつくケースもあります。管理薬剤師は、調剤薬局のほか、ドラッグストアでも管理薬剤師を募集している場合があります。

認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取得する

認定薬剤師や専門薬剤師といった資格を持っていると、企業によっては資格手当を出すところがあります。認定薬剤師は決められた単位を修得すれば資格が取得できますが、専門薬剤師は試験に合格して資格が取得できます。

独立し薬局を開業する

さらに年収を上げたいのであれば、独立して薬局を開業することも選択肢の一つです。独立開業の場合は定年がないため、ご自分の体力や知識のアップデートが苦ではない限り働けます。
ただし、薬局の経営が必ずしもうまくいくとは限らないほか、開業資金を準備しなければならないなど、独立し薬局を開業するのは雇用されるよりハードルは高いです。

自分の年収が低いと感じる薬剤師の方は

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今回は、薬剤師の年収は低いのかどうか、という点について記事にしました。結論を言うと、薬剤師は一般的な給与所得者と比べて、決して年収が低いというわけではありません。むしろ平均よりも高いです。
一方で、薬学部に通う年数や学費が医師や歯科医師とほぼ同じであることから、薬剤師は、医師や歯科医師と比較し、年収が低いことが取り上げられがちなようです。

もし、薬剤師として年収が低いと感じるようであれば、こちらでご紹介した方法を検討してみるほか、転職エージェントに相談し、年収アップが見込める転職を相談してみてもよいかもしれません。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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