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薬剤師が気になる年収・給料コラム

更新日: 2024年4月1日 薬剤師コラム編集部

年収アップを実現させる!ドラッグストア薬剤師という働き方

薬剤師が気になる年収・給料コラム
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薬剤師の勤務先にはいろいろありますが、病院や調剤薬局よりドラッグストア勤務のほうが年収が高いと聞いたことはありませんか?
その反面、ドラッグストアでは接客などの店舗業務のほうが忙しく、休みも取りにくいという印象があるのではないでしょうか。
この記事では、実際にドラッグストア薬剤師の年収や仕事内容はどうなのかについて解説します。

ドラッグストアの薬剤師の年収は高い?

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忙しそうだけど年収は高そう、というイメージがあるドラッグストア。
ドラッグストアに勤務している薬剤師の年収は本当に高いのでしょうか?

ドラッグストア薬剤師の平均年収

ドラッグストアに勤務する薬剤師の平均年収は、男女合わせて平均で514万円(※)となっています。
日本全体の一般労働者の平均年収312万円と比べると高い水準にあります。

(※)薬キャリエージェント調べ

薬剤師の勤務先別平均年収

同じ薬剤師でも、ドラッグストアとそれ以外の勤務先によって年収に違いはあるのでしょうか。
ドラッグストア、調剤薬局、病院、企業それぞれの年収について解説します。

ドラッグストアの平均年収は先ほど説明した通り514万円ですが、そのなかでも調剤併設型ドラッグストアの平均年収は528万円、OTC医薬品販売のみのドラッグストアは500万円(※)と、少し差があるようです。
調剤併設型のほうが高くなっているのは、OTC医薬品の販売やさまざまな店頭業務といったドラッグストアの仕事のほかに、専門性の高い医師の処方による調剤業務があることが給与に反映しているからと考えられます。

一方、調剤薬局の平均年収は517万円、病院は474万円でした。
調剤薬局や病院と比較すると、ドラッグストア、なかでも特に調剤併設型ドラッグストアの年収は、他よりも高いことがわかります。

製薬会社等の薬剤師の年収は、企業によって違いがありますが、一般的に薬剤師の中でもっとも高給とされています。特に製薬会社の研究職やMRは年収が非常に高くなる傾向があります。

企業勤務の薬剤師には及ばないとはいえ、ドラッグストア勤務の薬剤師の年収は高い水準にあるといえるでしょう。

(※)薬キャリエージェント調べ

地域別・ドラッグストア薬剤師の平均年収

次に、地域によって薬剤師の年収に違いがあるのか見ていきましょう。

都市部(東京・大阪・福岡など)と地方の違い

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに、都道府県別の薬剤師全体の平均年収を出したところ、上位10県は次のようになりました。

薬剤師の平均年収ランキング(都道府県別)

都道府県 平均年収
1位 宮崎 7,177.00
2位 熊本 6,841.10
3位 栃木 6,648.00
4位 青森 6,519.40
5位 静岡 6,379.60
6位 茨城 6,369.60
7位 京都 6,337.70
8位 大阪 6,320.00
9位 長崎 6,231.10
10位 群馬 6,196.20
全国平均 5,833.90

(※)都道府県別薬剤師の平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

もっとも多いのは宮崎県の717.7万円、次いで熊本県、栃木県、青森県と続きます。
全国平均が583.39万円なので、宮崎、熊本においては平均を100万円以上上回っているのです。

大都市に関して言えば、大阪が8位の632万円、東京が23位の584.81万円、福岡に至っては37位の556.78万円と全国平均を下回っています。

このデータを見ると、薬剤師の年収は、都市圏よりも地方のほうが高くなっているのです。
数の多いドラッグストア薬剤師も、基本的にこの傾向にあります。
これは、都市圏には店舗数や人材が集中している一方で、地方では薬剤師の人材が不足しており、需要が高いためだと考えられます。
もし勤務場所について特にこだわりがないのなら、地方で働くことを視野に入れてみるのも、収入アップの方法かもしれません。

薬剤師年収ランキング上位県のドラッグストア薬剤師求人はこちら
[宮崎県のドラッグストアの求人]
[熊本県のドラッグストアの求人]
[栃木県のドラッグストアの求人]

ドラッグストアの仕事内容

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ドラッグストア薬剤師はどんな仕事をしているのでしょうか。
ドラッグストアは、調剤業務があるかないかによって仕事内容が大きく変わります。

調剤併設型ドラッグストア

調剤併設型ドラッグストアでは、医師の処方箋に基づいて薬の調剤と服薬指導を行います。
この点は一般的な調剤薬局とあまり変わりません。
ただ、特定の病院の門前薬局と違って多方面から処方箋が持ち込まれるため、対応する調剤の種類や内容が幅広いものになります。

また、病院へ行く時間がない人や、病院へ行くほどではないがちょっと不調を抱えているという人の相談に応じ、OTC医薬品をすすめたり、サプリメントや健康食品などについてアドバイスしたりするのも大事な仕事です。

ほかに、レジ打ちや接客、品出しといった、ドラッグストアの一般的な業務も並行して行います。

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OTC医薬品の販売のみのドラッグストア

調剤業務を行わないドラッグストアの場合は、OTC医薬品についてのアドバイスや販売が主な仕事です。
不調を抱えている人や、体調不良の家族がいる人などの相談に応じ、症状を聞き取って、効果的な医薬品やサプリメント等を提案します。

また、ドラッグストアには、薬の購入だけではなく、日用品や化粧品などを買いに訪れる人も多いため、それらの商品についての幅広い知識も必要です。
接客やレジ打ちだけでなく、ポップ作成や陳列棚の整理などの売場づくり、品出し、在庫管理など、仕事の内容は多岐にわたります。
薬剤師としての知識を生かしつつ、お客様からのさまざまな要望に応えていく仕事です。

[OTC医薬品の販売のみのドラッグストア薬剤師求人はこちら] 

ドラッグストア薬剤師のメリット

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次に、ドラッグストアで働くとどんなメリットがあるのかみていきましょう。

予防・未病に貢献できる

ドラッグストアには、病院に行くほどではないが何かしらの不調を抱えているとか、家族の体調で気になることがある、といった相談が持ち込まれることもあります。
お客様の小さな不安を聞き取り、的確なアドバイスをしたり、OTC医薬品をすすめたりすることで、軽微な病気の発見や予防に貢献することができます。
こうしたサポートは調剤薬局や病院ではなかなか実現が難しく、地域に密着し、あらゆる人に開かれた場所であるドラッグストアだからこそ可能なことだといえるでしょう。

給与が高い

ドラッグストア勤務の薬剤師の年収が、他の薬剤師の平均年収よりも高いことについては先に解説した通りです。
業務内容が調剤に限らず多岐にわたることや、土日も営業していることなど、デメリットに感じられる部分があるかもしれませんが、それがそのまま給与に反映されているのは大きなメリットでもあります。
ドラッグストアに転職することで年収アップを図ることができます。

お客様との距離が近い

薬剤師自身がお客様から直接相談を受け、その内容に基づいてOTC医薬品や効果的なサプリメント等を提案できるのは、ドラッグストア勤務だからこそ味わえる仕事の醍醐味でしょう。
同じお客様が繰り返し来店されて健康に関する悩みを相談されるなど、頼りにされているという実感を持つことができれば、おのずと仕事に対するモチベーションも上がります。
一人ひとりのお客様と継続的なコミュニケーションを取ることを通して、地域全体の健康に貢献することができます。

店舗運営のおもしろさがある

調剤薬局とは違い、ドラッグストアではさまざまな商品を扱います。
接客やレジ打ちといった店頭業務のほか、ポップ作りなど商品陳列の工夫、品出しや在庫管理など、販売のノウハウを学ぶなかで店舗を運営していくおもしろさを知ることができます。
調剤以外の業務が多いことに戸惑いを感じるかもしれませんが、店舗運営や接客のスキル、お客様サービスを学ぶことは、今後のキャリアの幅を広げてくれるに違いありません。

柔軟な働き方ができる

大手チェーンのドラッグストアなどは営業時間が長く、土日祝日も開いているため、スタッフの数を多くそろえてシフト勤務をしていることが一般的です。
そのため、意外と休みは取りやすくなっています。
特に土日の混雑を避けて休みを満喫したい人にとっては、平日に休みが取れるのは大きなメリットでしょう。

また、福利厚生がしっかりしている大手のドラッグストアは、産休、育休制度や時短勤務制度などが充実しており、ライフスタイルの変化に合わせて柔軟な働き方を選ぶことができます。

ドラッグストア薬剤師のデメリット

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ドラッグストア勤務ならではのメリットもあれば、デメリットもあります。
ここからはデメリットについて確認していきます。

シフト制で土日休みではない

ドラッグストアは1日の営業時間が長く、多くの店舗が土日祝日も営業しています。
そのため、ほとんどのドラッグストアの店員はシフト勤務であり、薬剤師も例外ではありません。
当然、毎週土日に休みを取ることは難しいですし、GWや盆正月などの大型連休も希望通りに休みを取ることはなかなか難しいでしょう。
家族と休みが合わず、仕事と家庭を両立させることに難しさを感じることがあるかもしれません。
また、勤務時間の長さから、早番、遅番という交替制のシフトが組まれていることも多いため、生活リズムが安定せず、体力的なつらさを感じることもあるようです。

調剤以外の業務が多い

店舗業務を行うスタッフと調剤専門スタッフを完全に分けている職場なら話は別ですが、大抵の場合、薬剤師も店舗業務を担います。
その場合、調剤業務を行いながら、接客やレジ打ち、品出しなどの業務も並行してこなさなければなりません。
利用者が多く混雑する店舗だと、調剤以外の業務に追われ続けることを負担に感じることもあるでしょう。
調剤を行わない店舗の場合はなおさら、OTC医薬品の販売以外の一般的な店舗業務が主な仕事になりがちです。
調剤業務に専念したい人にとっては、担う業務の幅広さがかえってデメリットとなるかもしれません。

ドラッグストアに向いている薬剤師のタイプは?

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一般的な調剤薬局や病院内薬局とは少し違うドラッグストアですが、どんな人が向いているのでしょうか。

幅広い仕事がしたい

ドラッグストアではOTC医薬品だけではなく、健康食品やサプリメントなどさまざまな商品を扱っています。
薬を求めにくる人の年齢も病気の内容も幅広く、相談内容に応じてさまざまな症状に対応しなければなりません。
決まった医薬品だけではなく、健康食品やサプリメントなどについての商品知識を求められる場面も多くあります。
最新の商品情報や薬同士の相互作用、飲み合わせの不可などについて常に新しい知識を吸収し、薬剤師としての専門性も織り交ぜながら、幅広く仕事をしたい人には向いている職場です。 

接客が好き

調剤薬局や病院内薬局と違い、ドラッグストアには調剤以外の目的で訪れるお客様もたくさんいます。
そのため薬の知識だけではなく、店舗を支える一員として、接客スキルやお客様サービスの向上なども求められる仕事です。
お客様の要望を上手に聞き出して、的確に答えられるようなコミュニケーション力が必要といえるでしょう。
聞き上手で人と関わることが好きな人や、状況に応じて臨機応変に対応できる人などは、ドラッグストア勤務に向いているといえます。

地域に貢献したい

健康食品や日用品なども扱い、地域に密着したドラッグストアという場所だからこそ、お客様と近い距離でさまざまな悩みごとを聞くことができます。
お客様との話の中からちょっとした不調を感じとったり、改善に向けた具体的な提案をしたりすることは、結果として地域全体の健康促進に貢献することになります。
病院だけでは対応しきれない小さなニーズに目を向けて、地域を支える働き方をしたい人には向いている仕事といえるでしょう。

ドラッグストア薬剤師が年収アップさせるには?

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比較的年収の高いドラッグストア薬剤師ですが、実際にはその年収には違いがあります。
ここでは、ドラッグストア勤務の薬剤師がより年収を増やす方法について説明します。

昇進して管理職をめざす

ドラッグストア薬剤師が年収を上げるには、昇進して管理薬剤師や店長といった管理職をめざす方法があります。
管理薬剤師は薬局内の責任者として、医薬品の在庫の管理や従業員の監督業務を行う立場です。
資格手当や役職手当がつくことで収入アップが見込めますし、チェーン展開しているドラッグストアなら、近隣の店舗を統括管理するエリアマネージャーへの昇進にも繋がります。

将来の年収アップを目指すなら、まずは管理薬剤師を目指してみることをおすすめします。

調剤併設型ドラッグストアで働く

調剤併設型ドラッグストアは、病院併設型の調剤薬局に比べて多方面から処方箋が持ち込まれます。
さまざまな症例に接することは薬剤師としての知識を広げ、キャリアアップにつなげるチャンスになります。

一方のOTC医薬品販売のみのドラッグストアでは、調剤の経験を積むことができません。
将来、管理薬剤師等の役職を目指して年収アップを図るなら、調剤併設型ドラッグストアで働くほうがよいでしょう

また、前述したように調剤併設型ドラッグストアのほうがOTC医薬品販売のみのドラッグストアよりも年収がやや高い傾向にあります。

ドラッグストア勤務で年収アップを目指すなら、調剤併設型ドラッグストアのほうがおすすめです。

[調剤併設型ドラッグストアの薬剤師求人はこちら] 

ドラッグストアへ転職するときの注意点

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ドラッグストア勤務には、これまでみてきたような特徴があります。
では、薬剤師がドラッグストアに転職するときにはどのような注意が必要でしょうか。

転職難易度は低め

企業や病院に比べれば、ドラッグストアへの転職難易度は比較的低めといえます。
理由は求人数の多さです。
ドラッグストアは営業時間や営業日数の多さから、シフト勤務体制のところがほとんどです。
そのため、なるべく多くの薬剤師を確保したいと考えています。
正社員だけでなく派遣やパートでの募集も多いので、転職先の候補は見つけやすいでしょう。

業務内容を確認する

ドラッグストア勤務の場合、調剤併設型であったとしても、調剤業務のほかに店舗業務も並行してこなさなければなりません。
しかし配置されているスタッフの人数によっては、調剤以外の業務は比較的少なめで済むケースもあります。
また、調剤専門スタッフと店頭業務のスタッフを分けているところもあります。
調剤業務とそれ以外の業務の割合など、自分が担当する業務の内容をよく確認しておきましょう。

勤務時間について確認する

多くのドラッグストアはシフト交替制を取っています。
希望通りの勤務時間で働けそうか、土日祝日の出勤の頻度や夜間勤務の有無などについて、確かめておきましょう。

昇進ルートを確認する

年収アップのためには昇進は欠かせません。
年収アップを目的に転職する場合は、事前に勤務先の昇進条件を確認しておきましょう。

ドラッグストアで収入アップを図るなら、まず管理薬剤師になることが最初のステップになります。
管理薬剤師になるとどれくらい資格手当がプラスされるのか、また管理職の昇進ルートにはどのようなものがあるのか確認しておくとよいでしょう。
チェーン展開している大手のドラッグストアでは、店長に昇進した後、近隣地域の店舗を統括するエリアマネージャーへと昇進できる場合もあります。

まとめ

ドラッグストア薬剤師のメリットは、調剤を含め、接客や店舗運営など幅広い業務を学ぶことができること、他の薬剤師よりも年収が高いことなどが挙げられます。
また、管理薬剤師になることでさらなる収入アップが見込めますし、その後の昇進の可能性も広がります。
薬剤師として年収アップを図るなら、ドラッグストア薬剤師という働き方を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

ドラッグストアで働くのが、不安な薬剤師さんへ

ドラッグストアでの薬剤師のお仕事についてご不安なことがあれば、お気軽にご連絡ください。
ご相談は無料です。

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薬剤師コラム編集部

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