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薬剤師が気になる年収・給料コラム

更新日: 2024年5月1日 薬剤師コラム編集部

女性薬剤師の年収は高い?低い?年収・キャリアアップのポイント

薬剤師が気になる年収・給料コラム
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女性薬剤師の年収は高いというイメージがありますが、ほかの仕事と比べて実際はどうなのでしょうか。
また、結婚や出産などのライフイベントの影響が多いのが女性です。その年収は年代ごとにどのように変わるのでしょうか。

女性が生涯働き続けるためには、キャリアプランを立てることが重要です。ここでは、女性薬剤師のキャリアプランの立て方や、職場選びのポイントを通して、年収アップについてご紹介します。

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女性薬剤師の年収は高い?

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女性薬剤師の年収を性別や年代別、他の医療従事者と比較してみましょう。平均年収をさまざまな角度から比較することで、女性薬剤師の年収の実体が見えてきます。

男女別の薬剤師平均年収

まず、男女別の薬剤師の平均年収をみてみましょう。

男女計
薬剤師 583 637 540

※平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

厚生労働省の調査によると、男性薬剤師の平均年収637万円に対して女性薬剤師の平均年収は540万円となっています。
約100万円の差があるのは、女性のほうが、結婚やパートナーの転職・転勤、妊娠・出産、子育て、介護といったライフイベントの影響を受けやすいからでしょう。

平均年齢では、男性の41.5歳に対して女性は40.9歳と大きな差はみられません。男女を問わず、薬剤師という職業は長く続けられる仕事だということでしょう。

厚生労働省の「薬剤師に関する基礎資料」によると、薬剤師数の男女比は女性が全体の約6割を占め、すべての年齢層で女性の方が多いものの、35歳~39歳の年齢層では減少します。

年齢別の女性薬剤師平均年収

次に、薬剤師の平均年収が年代によってどのように変化するのかみてみましょう。

厚生労働省の調査によれば、薬剤師の平均年収は年代によって以下のように変化しています。比較対象として男性薬剤師の平均年収も掲載しますので、ご覧ください。

年代 男女計 差異
(男-女)
20~29歳 423万円 454万円 407万円 47万円
30~39歳 586万円 627万円 532万円 95万円
40~49歳 636万円 723万円 593万円 130万円
50~59歳 692万円 797万円 611万円 186万円
60~69歳 550万円 543万円 577万円 -34万円
70歳~ 558万円 544万円 585万円 -41万円

※平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

女性薬剤師の場合、平均年収がもっとも高くなるのは50歳~59歳の611万円です。
特徴的なのは、平均年収のカーブが男性に比べて緩やかなことでしょう。

働き盛りの30〜50代で、年収の伸びが男性に比べると低くなっています。
これは、子育て期の休業に加えて、フルタイムではなく時短やパート勤務などに切り替えることが影響していると考えられます。

その一方で、60歳を超えてからも年収水準は大きく下がりません。男性と比較すると、その年代では平均年収が逆転しています。

他の職業の年収との比較

ここでは薬剤師という職業にとどまらず、一般労働者や他の医療従事者と女性薬剤師の年収を比較してみましょう。

男女計
一般労働者 312万円 342万円 259万円
医師 1429万円 1515万円 1138万円
歯科医師 810万円 794万円 878万円
薬剤師 583万円 637万円 540万円
看護師 508万円 523万円 506万円

※一般労働者の平均年収は、厚生労働省「付表2 一般労働者の性、雇用形態別賃金及び雇用形態間賃金格差の推移/令和4年賃金構造基本統計調査の概況」より、男女計の正社員・正職員の賃金に12を掛けた数字を平均年収としている
※医師、歯科医師、薬剤師、看護師の平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

厚生労働省の調査によると、薬剤師の平均年収は、一般労働者に比べると約2倍です。女性薬剤師に注目すると、その差が2倍以上となります。
一般労働者と比べると、薬剤師の平均年収の高さがわかるでしょう。

次に、他の医療従事者に目を向けてみましょう。
女性に絞ってみると、平均年収がもっとも高い医師の1138万円と薬剤師の間には、約2倍という開きがあります。歯科医師の場合、平均年収の違いは約1.6倍まで縮小します。薬剤師の平均年収は、医師と歯科医師に次いで高く、看護師の平均年収を上回っています。

また、医療従事者は、どの職種であっても女性の年収が一般動労者に比べて2倍以上となっていることも特徴です。
資格を取って働き続けることが報われる職業だといえるでしょう。

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女性薬剤師のキャリアプランのポイント

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妊娠出産や子育てといったライフイベントによって、女性薬剤師は常勤や非常勤といった働き方の選択に柔軟に対応することが求められます。
ここでは、生涯にわたって働き続けるために、女性薬剤師が考えておきたいキャリプランのポイントをご紹介します。

自分が理想とするキャリアプランを考える

まずは、自分が理想とするキャリアプランを考えましょう。長期的なプランと短期的なプランを立てておくことをおすすめします。

長期的なプランとして、生涯薬剤師として働き続けると決めている方は多いでしょう。そのなかでもキャリアを積んで職場での管理職などを目指すのか、業務範囲を広げてスキルアップしていくのか、一定の役割を果たしながらもプライベートも大切にしたいのかといった価値観は人によって異なるのが自然です。

女性の場合、中期的または短期的なプランにはライフイベントが関係します。働き方の選択肢にはどのようなものがあるのか知っておきましょう。

常勤か非常勤かは大きな選択の分かれ道です。同じ常勤でも正社員や契約社員、派遣社員など、雇用形態によってどのような役割と責任を持つかが変わります。非常勤には、常勤よりも労働時間が少ないパートや派遣社員などがあります。

どのような勤務先を選ぶかも重要です。病院や調剤薬局、ドラッグストアはもちろんのこと、薬学の知識を生かして製薬会社という選択肢もあるでしょう。
全国展開しているドラッグストアや複数の拠点を持つ製薬会社の場合、何らかの理由で勤務エリアが変わっても勤務し続けられる可能性があります。

職場の育児に関する制度を確認する

次に、勤務先には育児に関してどのような制度があるのか確認しましょう。よく知られているのは育児休業ですが、それだけではありません。

  • 育児休業
  • 短時間勤務
  • フレックスタイム
  • そのほかの休暇制度

一口に育児休業といっても、職場によって詳細はさまざまです。育休中の手当の有無や延長も含めた育休の期間、復帰までのサポートなど、細かいところも確認しておくことをおすすめします。

短時間勤務やフレックスタイム制度があるかどうかも確認しましょう。保育園への送迎や子どもが病気になった際などに時間に融通のきく職場の方が働き続けやすいといえます。自分が休んでもカバーしてくれる人がいる職場かどうかもポイントです。

有給休暇はもちろんのこと、そのほかにも制度化されている休暇制度があるかも確認しておきましょう。いずれにしても、制度の有無だけではなく利用実績がどれくらいあるかが重要です。

ロールモデルとなる女性薬剤師がいる職場を選ぶ

女性薬剤師が長く活躍できる職場かを判断する材料のひとつに、ロールモデルとなる先輩女性薬剤師がいるかどうかがあります。育児に関する制度のところでも触れましたが、制度があっても有名無実では意味がありません。

その点、ロールモデルとなる先輩女性薬剤師の存在は大きいといえるでしょう。勤務先によっては、薬局長や管理薬剤師といった管理職の女性比率が低い場合があるかもしれません。自分が望むキャリアを構築できるかどうかは、先輩の存在が参考になります。

キャリア構築はもちろんのこと、産休や育休、職場復帰などについて、これまでの実情を確認したり、これからのことを相談したりできるでしょう。有休の取りやすさや体調不良などによる急な休みへのフォロー体制といった日常的なことまで、立ち回り方を教えてくれる頼もしい存在だといえます。

スキルアップして昇進する

キャリアプランを考える際、積極的にスキルアップして昇進や昇給を望む人もいるでしょう。薬剤師のスキルアップの方法には、主に次の4つがあります。

  • 管理薬剤師
  • かかりつけ薬剤師(研修認定薬剤師)
  • 在宅患者への訪問やオンライン指導
  • 認定・専門薬剤師の資格を取得する

管理薬剤師は最も一般的なキャリアアップの方法です。一般の薬剤師とは異なり、薬局をまとめ管理する業務ですので、マネジメント能力やコミュニケーション能力が求められます。

かかりつけ薬剤師は、一般薬剤師よりも求められる知識や経験が高いことに加えて、患者さんからの同意も必要です。その分、服薬指導の点数が高く売上げへ貢献しやすくなります。

在宅患者への管理指導については、需要の高まりからスキルアップや昇進につながりやすいといえるでしょう。

認定・専門薬剤師の資格取得によってスキルアップも可能です。がんや感染制御、妊婦・授乳婦専門などさまざまな資格があります。

ここに挙げたスキルアップの方法で、業務の中心的役割やリーダーを任されれば、昇進の可能性が高まるといえるでしょう。

プロのコンサルタントに相談する

薬キャリエージェントのアンケート調査によると、薬剤師の3人に2人が転職を経験しています。女性が自分らしく働くために、転職は有効な選択肢となります。

しかし、忙しくて自分のキャリアプランをゆっくりと考える時間がないという方もいるでしょう。今後どうしていくか迷っている、自分の市場価値を知りたいといった場合には、薬剤師専門の転職エージェントに登録して、プロのコンサルタントに相談することもできます。

プロのコンサルタントは、薬剤師を求める企業と働きたい薬剤師をたくさん見ています。どのような人材が求められ喜ばれているのかを、よく知っているのです。状況によっては「もう少し経験を積んでスキルアップした方がよい」といったアドバイスを受けられるのも、薬剤師の転職市場を把握しているプロならではといえます。

プロの目線から薬剤師のキャリアプランについてアドバイスできるコンサルタントの力を借りるのも、キャリアプランを考える上での選択肢のひとつです。

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まとめ

女性薬剤師の年収は、女性の一般労働者と比べると2倍以上という高さです。医療従事者では医師と歯科医師に次いで高く、看護師の平均年収を上回ります。患者さんの健康を薬剤という面から支える業務には責任があり、それが年収に表れているといっていいでしょう。

薬剤師に限らず女性がキャリアプランを考えるとき、多くの場合はライフイベントに柔軟に対応する必要があります。臨機応変な対応には、それを支える制度が欠かせません。たとえば育児休業など、どのような制度や利用実績があるのかについて、事前によく確認しておきましょう。

結婚・出産・育児・介護・定年後の再就職など、ご事情含めて、転職コンサルタントへ相談してみませんか?

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ベストな方法を一緒に探してみましょう。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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